横浜・新宿・湘南のスポーツ自転車専門店|バイクポート

横浜西口店 TEL:045-620-3771
新宿都庁前店 TEL:03-6258-0130
湘南ベイサイド店 TEL:0466-53-7775
お問い合わせフォーム

INFORMATION

新宿都庁前店 / 27.5インチ 650Bバイクを700C化する / MASI SPECIALE RANDONNEUR ELITE マジー スペシャーレ ランドナー エリート

皆様、こんにちは!!
bikeport新宿都庁前店の奈須野です。


ある日のことでした。
MASI SPECIALE RANDONNEUR ELITE マジー スペシャーレ ランドナー エリートという、私、奈須野も愛用しております車体にお乗りのお客様がご来店になりました。
ロードバイク、ツーリングバイクでありながら、47Cという極太タイヤを履いています。
また、フレームはクロモリ、ハブダイナモ装備でフロントライトのバッテリいらず、大量の荷物が積載可能で、大陸横断といったレベルの重装備ロングツーリングにも耐えられるという、独自性の光るモデルです。



お話を伺うと、チェーンが空転する、とのことでした。

チェーンを空転する状況には、複数の原因が考えられます。
すなわち、
1 チェーンリング、カセットスプロケット、リアでレイラーのプーリー等の歯が摩耗、かけていて、チェーンと噛み合っていない場合。
2 チェーンが摩耗していて、歯と噛み合わない場合。
3 フリーホイールの歯が摩耗して、スプロケットが空転してしまう場合。
等です。
これらの要因は、複数同時に起きることもありまして、1と2が複合して歯滑りを起こす、といったこともあります。


車体をお預かりして、詳しくお調べしますと、カセットスプロケットがトルクをかけると、空転します。
カセットスプロケットの中には、フリーホイールという筒のようなパーツが内蔵されています。
フリーホイールの内部には、ラチェットと呼ばれる爪が全周に渡って配置されております。
その爪がフリーホイール内部の段差にひっかかれば、リアホイールに推進力が与えられ、爪がカチカチと段差を乗り越えるとリアホイールが空転する、という仕組みになっています。

この爪と段差が長距離、長時間の走行によって少しずつすり減り、ついには引っかからなくなると、進行方向にペダリングしているにも関わらずつるつるとリアホイールが空転してしまうのです。
今回も、この症状が起きていると思われました。


次に、対処法でありますが、片側¥50,000以上はする高級ホイールであれば、フリーボディのみ別売りで開発、販売されています。
上記の様にフリーボディは消耗品で、フリーボディのみ交換したい、という需要は存在するからです。

しかし、お気を悪くしていただきたくないのでありますが、エントリーグレードのホイール、完成車に付属してあるホイールは、可能な限り購入時のコストを下げるために、わざわざフリーボディを別売りしていないのです。
そのため、比較的安価なホイールのラチェットが空転してしまった場合は、残念ながらホイール一式を交換することになります。

今回お預かりしております、MASI SPECIALE RANDONNEUR ELITEは完成車価格¥200,000ほどの車体です。
もちろん、決してお安い車体ではありません。
しかし、MASIに問い合わせましたところ、残念ながらフリーボディのみの販売はしておりませんでした。
また、これも珍しいことではありませんが、交換用のホイールの販売も無いとのことでありました。


ここで、私は、はたと立ち止まりました。
私自身もMASI SPECIALE RANDONNEUR ELITEに乗っているため、分かるのですが、本車体はかなりの独自仕様となっています。
まず、ロードバイク(ツーリングバイク)でありながら、650B、27.5インチホイールが採用されています。

650Bと27.5インチで、何がなんだかわからない、というご指摘を受けそうであります。

700C、650Bといった3桁の数字で表現するのはフランス由来の規格です。
タイヤを履いた時のホイール全体の直径がおおよそ700ミリ、650ミリといった意味合いでした。

しかし、自転車黎明期に出来た規格で、その後、紆余曲折を経て、650Bというのはだいたいの目安を指す、くらいの意味合いしか残らなくなりました。
現在ではETRTO エトルトという、ホイールの直径(正確には、ビード直径)によって使用タイヤを決定しています。

次に、27.5インチというのは、インチという用語とおり、イギリス、アメリカ由来の規格です。
これもタイヤを履いた時のホイール全体の直径がおおよそ27.5インチ(約698.5mm)あることを意味します。
おおよそ、というのが、これまたやっかいで、インチ表記も結局、ETRTOによって使用タイヤを決めるようになりました。

MASI SPECIALE RANDONNEUR ELITEについて言えば、27.5ホイールに少し細めのタイヤを履かせることで、直径が650mmくらいになっている、という意味しかありません。
実態は、ETRTO 584mmのホイールです。

ETRTO 584mmのホイールはマウンテンバイクで採用されることの多い規格です。
これに太めのタイヤを履かせると、ちょうど直径が700mmに近くなるのです。
おや、と思われた方は鋭いです。
この700mmというのは、ロードバイクのタイヤ、ホイール直径とほぼ同じ数字になります。

つまり、長い歴史の過程で、直径700mmくらいのホイールが走りやすい、速度を維持しやすいという経験則が積み上がったからでしょう。
ロードバイクもマウンテンバイクも同じくらいの直径に落ち着いたのであります。
(しかし、その後マウンテンバイクは独自進化をして29インチホイールに巨大化したモデルが出てきました。もっともこれは、ロードバイクと同じETRTO 622mmホイールに太いタイヤをはかせただけ、という見方もできます。)


寄り道をしすぎました。
MASI SPECIALE RANDONNEUR ELITEのホイールはETRTO 584mmで、ホイールを交換したいのであれば、同じ直径のホイールにしてあげれば良いのです。
しかし!!
結論から申し上げれば、MASI SPECIALE RANDONNEUR ELITEは使われているホイールの外径はマウンテンバイク寄りですが、フレームの構造はロードバイク寄りなのです。

具体的には、ホイール外径は584mmで、リムも当然584mmのもの、マウンテンバイクで使われる規格となっています。
しかし、フレームの構造は完全にディスクブレーキ用ロードバイクと同じで、フロント100mm、リア142mmのエンド幅となっています。

ところで、最近のマウンテンバイク用のホイールは、高剛性を実現するために、エンド幅を広げるトレンドにあります。
そのため、フロント110mm、リア148mmといった、ロードバイクよりも幅広のエンド幅が主流になっています。

さらに、スルーアクスルシャフトもロードバイクとマウンテンバイクでは異なり、ロードバイクではフロント、リア共に12mmスルーアクスルが主流ですが、マウンテンバイクではフロント15mmアクスルが増えてきました。

このように、マウンテンバイク用ホイールとロードバイク用ホイールは規格が異なっているのです。
しかし、MASI SPECIALE RANDONNEUR ELITEは両者を混在させているため、完成品のホイールで置き換えることは不可能であります。


そうだとすれば、全てをオーダーで組み上げる、いわゆる手組みという選択肢もあります。
がっ
手組みで前後のホイールを組み上げるとなければ、最低でも¥50,000は金額がかかりそうです。
うーーーむ。
弱りました。

過度に費用をかけずに、機能回復をしたい。
こうなったら、解決策は1つです。
700C化するのです。
フレームがロードバイク寄りであるならが、ホイールもロードバイク用のものを使えば良い。
(実際、私、奈須野もMASI SPECIALE RANDONNEUR ELITEに700Cホイールを履かせていたことがあります。ただし、これはMASI SPECIALE RANDONNEUR ELITEが極太のタイヤを履いている、という独自性を薄めることになります)

ちょうど、GIANTのグラベルバイク、REVOLTがご成約となりまして、そのホイールが完成車外しの新古品として在庫しておりました。
REVOLT用のホイールであれば、6Hディスクブレーキ、エンド幅F100mm/R142mm、スルーアクスルシャフト12mmと、MASI SPECIALE RANDONNEUR ELITEの規格とぴったりです。
また、グラベルバイク用のホイールであるため、太めのタイヤにも対応可能で、耐久度もロードバイク用のものよりも高く、まさにうってつけ。
このホイールをお客様にご提案し、ご了承を得ました。


タイヤは私、奈須野も愛用しているMAXXIS Re-Fuse 40Cを選択しました。
MAXXIS Re-Fuseは極めて優秀な耐パンク性能があり、10,000km走ってもパンクしませんでした。
また、先月、旅行先でリアタイヤをロックしてしまう場面がありまして、完全にケーシングが露出しているにも関わらず、ツーリングを続行して500km走ってもなお、パンクしませんでした。
強烈な耐パンク性能を持ちながら、それでいて比較的軽量(25Cで290g)と、大のお気に入りタイヤなのであります。

このタイヤの40Cモデルを装着致します。

画像引用 MAXXIS

https://maxxis.jp/products/re-fuse/


さらに具合の良いことに、ホイール、タイヤ共にチューブレスレディ対応です。
チューブレスレディ化することで、タイヤとチューブの摩擦がなくなり、走行性能が上がります。
また、内部のシーラントが小さな穴を防いでくれるため、MAXXIS Re-Fuseの耐パンク性能がさらに上がります。
まさに無敵!!
素晴らしいです。

とはいえ、チューブ入りで運用することも可能であるため、お客様にチューブ入りと、チューブレスレディのどちらが良いかをお尋ねし、チューブレスレディ化をすることに致しました。
(チューブ入りの利点を申し上げるとすれば、道中でビードが落ちてしまった時にチューブ入りであれば対応しやすい、タイヤが裂けるようなダメージでも、裏から厚手のパッチを当てることで当座を凌ぐことができる、といったものがあります。とはいえ、これらの状況はそうそう起きるものではないでしょう。)

それでは、交換作業、開始です!!


新しいMAXXIS Re-Fuse 40Cです。
触ると、中央部のトレッド面が分厚く、実に頼りがいがあります。


ホイールにタイヤを装着します。
数年前のチューブレスレディホイール、タイヤであれば、ビードを上げるのに四苦八苦したものですが、コンプレッサーで一気にビードが上がりました(タイヤの外周部がホイールのリムにしっかりと装着され、空気漏れをしていない状態のことです)。


当初から装着されていた、フロントホイールを取り外します。


旧ホイールと新ホイールを比べてみます。


わかりにくいですね。
直径を計測します。
旧ホイールは直径665mmほど、新ホイールは705mmほどです。
(650B、27.5インチ、700Cといった表現がほとんど意味の無いものであることがお分かりいただけるでしょうか)


旧ホイールから新ホイールにローターを移植します。


上述のように、新ホイールは旧ホイールよりも直径が40mmほど大きくなります。
フェンダー(泥除け)に当たることは必至で、フェンダーを取り外します(オーナー様のご了承済みです)。


リアホイールも交換します。


旧ホイールから新ホイールにカセットスプロケットを移植します。


クリーニングは直接のご依頼内容ではありませんが、今回はホイール代、タイヤ代とかなりの高額依頼となり、汚れたままお返しするのもお客様のご気分がよろしくなかろうと思われまして、軽くクリーニングします。


新ホイールにカセットスプロケットを装着します。


旧ホイールから新ホイールにローターを移植します。


リアホイールを装着します。


既にビードは上がっておりますが、シーラントを充填し、さらに気密性を上げます。


完成です!!
40Cはまさに読みどおりといいますか、フレームギリギリの最大径でございました。
とはいえ、これだけクリアランスがあれば、小石や砂がタイヤに付着する場面でも、フレームを傷つけずに走行可能でしょう。


もともとが47Cタイヤを履いていただけはあり、チェーンステイにも余裕があります。


ハブダイナモと、ライトを取り外して、フロント周りがすっきりしました。


換装前と比べて、違和感がありません。
それでいて、タイヤ、ホイールが軽量化したため、走行性能がぐっと上がっています。
また、耐パンク性能は飛躍的に上がったと言えましょう。

タイヤ代、ホイール代、交換工賃を含めて、¥61,840(税込)となりました。


本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、bikeport新宿都庁前店の奈須野でした。

bikeport新宿 都庁前店 オープン!!

新宿都庁前店 一番人気 GIANT GRAVIER 2022 サテンブルー ¥61,600(税込)

新宿都庁前店 お買い得感の高い小径車 / GIANT TEN ジャイアント テン / ¥58,300(税込)

新宿都庁前店 ディスクブレーキ クロスバイク 続々入荷 / GIANT ESCAPE RX DISC ジャイアント エスケープ ¥85,800(税込)

新宿都庁前店 真紅のクロスバイク!! GIANT GRAVIER ジャイアント グラビエ 2021 ¥57,200(税込)

新宿都庁前店 / 秋らしいおしゃれな色合い ミニベロ / GIANT Liv AMICA ジャイアント リブ アミーカ ¥58,300(税込)

新宿都庁前店 GIANT Liv ESCAPE ジャイアント リブ エスケープ R3 / R3W 大量入荷 / R3W MS パールホワイト ¥57,200(税込)

新宿都庁前店 / 値上がり前に / 段差、雨の日も安心 / GIANT GRAVIER ジャイアント グラビエ DISC ¥68,200(税込) サテンブルー

新宿都庁前店 / GAINT GRAVIER ジャイアント グラビエ DISC マットチャコール / カスタマイズ納車

新宿都庁前店 / 赤と黒 極太タイヤで雨の日も安心 / GIATN GRAVIER ジャイアント グラビエ ¥57,200(税込)

新宿都庁前店 シックな高性能クロスバイク GIANT ESCAPE ジャイアント エスケープ RX3 ¥69,300(税込)

新宿都庁前店 ベストセラークロスバイク GIANT EACAPE ジャイアント エスケープ R3 ¥57,200(税込)

新宿都庁前店 GIANT ESCAPE ジャイアント エスケープ RX3 通勤、通学に 上級クロスバイク ¥69,300(税込)

新宿都庁前店 初めてのクロスバイクに GIANT ESCSPE ジャイアント エスケープ R3 ¥52,000(税抜)

新宿都庁前店 油圧ディスクブレーキ搭載で、雨の日も安心 GIANT ESCAPE R DISC マットダークシルバー ¥61,000(税抜)

新宿都庁前店 フルカーボンフォーク採用 高級クロスバイク GIANT ジャイアント ESCAPE RX2 2020 ¥79,000(税抜)

新宿都庁前店 街中のお出かけ、サイクリングに最適 GIANT ジャイアント TEN ¥49,000(税抜)

新宿都庁前店 カテゴリ最軽量 9.9kg GIANT CROSTAR ¥56,000(税抜)

新宿都庁前店 シックなクロスバイク GIANT ジャイアント ESCAPE R DICS フォレストグリーン ¥61,000(税抜)

新宿都庁前店 街中の段差もらくらくクリア!! オールラウンドクロスバイク GIANT ジャイアント GRAVIER ¥52,000(税抜)

新宿都庁前店 スタイリッシュなバイクをお探しの方に GIANT ジャイアント FORMA ¥70,000 (税抜)

過去のバイクポートのお知らせはこちら