皆様、こんにちは!!
bikeport新宿都庁前店の奈須野です。
1 東の果てへ
日本の一番東の果てに行きたくなりました。
最北端、最南端、最西端はすでに行ったことがあったからです。
北海道根室市の、納沙布岬(のさっぷみさき)という場所です。
2 キャプ道具が無い
2022年9月26日、自宅から羽田空港に向かいます。
当日の朝に準備をしていたのですが、いきなり絶叫致しました。
キャンプ道具が無い!!
9月23日の三店舗合同イベント、キャンプツーリング班に使うために、キャンプ道具を一式、山中湖に送っていたのでした。
そして、荒天のため、9月23日のイベントは10月29日に延期されまして、荷物がそのまま山中湖のキャンプ場にあったのです。
テントも寝袋も、ガスバーナーも何も無いのだが、いったいどうすれば。。。
テントだけは、10年ほど前に通信販売で購入した¥3,000ほどのテントがありました。
しかし!!
これはおもちゃというレベルの代物で、とても戦える機材ではない。。。
はぐわーーーーっ!!
バーナーも、自転車ツーリングとしてはあまり使わなくなったOD缶用のものがありました。
(OD缶とは、玉ねぎ型をしたガスカートリッジのことで、登山、厳冬期には役立つのですが、燃料代がカセットコンロ型のバーナーに比べて3倍以上するため、私個人はあまり使わなくなりました。また、カセットコンロ型バーナーであれば、ほとんどのコンビニエンスストア、100円ショップでも取り扱いがあり、補給が圧倒的に楽なのです。)
マットもありません。
むう。
無い無いづくしでございますが、嘆いていてもせん方ないので、出発します。
到着先の釧路は大都市。
きっとなんとかなるでしょう。
3 自宅から羽田空港へ
(1) 夜明け前です。
とても美しいです。
つい足を止めて、のんびりしてしまいます。
(2) 羽田空港に到着致しました。
今回は、AIR DOさんを使うため、羽田空港第2ターミナルに向かいます。
(羽田空港へは自転車で行くことが可能です。以下のようなイベントを開催したことがありました)
(3) なお、そもそも飛行機に自転車を乗せることができるのか、というご質問を受けることがあります。
まず、国内限定のお話を致します。
飛行機輪行ですが、輪行袋に入れれば可能です。
ただし、航空会社によって対応が異なります。
JAL、ANA、Solaseed Air、AIR DO、スカイマークエアラインズ(以下JAL等といいます)であれば、20kgまでであれば、追加料金無しで自転車の搭載が可能です。
ピーチ航空、JET STARは¥3,000ほどの追加料金が必要になります。
JAL等であれば前後輪を外して輪行袋に入れるだけで預かってくれることがほとんどです(ただし空港の審査官には広範な裁量が認められておりまして、規約にないことでも空気を抜いてください、中をすべて見せてくださいといった指示を受けることがあります。)。
しかし、ピーチ航空、JET STARはタイヤの空気を抜く、ペダルを外す、ハンドルとトップチューブを並行にさせる、といった作業が必要になります。
タイヤの空気、ペダル、ハンドルといった作業はかなりの重労働で、満足な工具もない出先で行うのはしんどいというのが正直なところです。
格安航空会社は、航空券は安いものの、成田発であったりと、総合的に考慮するとお得なのか微妙なことがあります。
私個人は、航空券代とサービスのバランスが良い(と思われる)、Solaseed Air、AIR DO、スカイマークエアラインズを愛用しております。
お話がそれましたが、一時の日本は空港がゴーストタウンかっというくらい、閑散としておりました。
しかし、2022年9月の段階では、かなりお客さんが戻ってきたようで、余裕をもって空港に到着したものの、手荷物の預かりにものすごく時間がかかりました。
4 飛行機輪行の注意点
荷物を預けます。
自転車の飛行機輪行で特に気をつけるべきことを述べます。
(1) 工具類は機内に持ち込めません。
折りたたみの工具も没収される可能性が高いです。
バイクのボトルケージに収納するか、輪行袋の中に入れておくと良いです。
ただし!!
厳格な審査官、あるいは自転車を通過できるだけの大型X線検査機が無い地方航空の場合、文字通りすべて開封して中を見せよと指示を受けることがあります。
ただし、工具類をボトルケージに収納してしまうと、両輪にサンドイッチされてボトルケージのアクセスが不可能になります。
しかし、審査官からそれでも見せろと要求されるため、ホイール固定を解除せざるを得なくなります。
そして、今パッキングが完了したばかりなのに、空港内で再び解除するという、とんでも無い二度手間、場合によっては離陸に間に合わないという事態に陥るため、工具類は出しやすい場所に収納しておくと吉です。
(2) CO2ボンベは、4本までなら、機内持ち込みが可能です。
しかし!!
これまた審査官の裁量でダメと言われることも多々あります。
特に、内容物が明確に分からないカートリッジの場合は没収されることが多く、私もボンベで毎回弁明をする時間がもったいないため、飛行機輪行ではCO2ボンベは持ち歩かないことにしました。
(3) ガス式のパンク修理剤は機内持ち込み、預かりともに不可能です。
これは厳しく禁じられます。
もっとも、スポーツバイクにお乗りの方であれば、ガス式パンク修理剤は実用性に乏しく、ほとんど役に立たない、ということをご存知と思います。
(4) パンク修理のゴムのりは揮発性があり、可燃物です。
そのため、機内持ち込み、預かりともに没収されます。
ゴムのりは現地で調達するか、スペアのチューブでパンク修理をするしかありません。
(5) モバイルバッテリーはよほどの大容量のものでなければ機内持ち込みは可能です。
預かりは禁止です。
モバイルバッテリーが禁止される理由は、内部のリチウムイオン電池が振動に弱く、発火、炎上の可能性があるからなのです。
かつて実際に発火事故が起きています。
つまり、リチウムイオン電池が内蔵されている、フロントライト、リアライト、さらには!! Di2バッテリーも預かりにすることはできません。
ライト類はバイクから外して、手荷物として機内に持ち込みます。
また、Di2のバッテリーを外して、現地で再び装着して。。。ということは非現実的です。
ゆえに、飛行機輪行ではDi2コンポーネントは選択しない、というのが合理的です。
(レース等、最上のパフォーマンスを目指す場合は除きます)
(6) 私の個人的な体験(現時点で50回ほど飛行機輪行を致しました。)では、油圧ディスクブレーキのパッドが飛び出たということはありませんでした。
ご心配であればパッドを入れておくのが万全だと思います。
リアディレイラーは1回、破損しました。
エンド金具を装着するよりも、ディレイラーそのものを外して、フレームにくくりつけておくほうが防御力が高いと思われます。
エンド金具でフレームの曲がりを防ぐ、という意味合いと思われますが、フレーム、フロントフォークが曲がるほどの衝撃が加わった場合、たとえエンド金具をしていようとも、フレームがへこむ、まがる、折れる状況だと思われまして、これまた個人的にはエンド金具はあまり役に立たないと考えます。
5 空路、釧路へ
再びお話がそれましたが、荷物を預けます。
今回はAIR DOであるため、20kgまでは無料で送ることが可能です。
冬期ツーリング時には、20kgを超えることもありまして、その場合は超過料金を支払います。
離陸です!!
今日はお天気で、眼下のお台場がよく見えます。
あっという間に釧路空港に到着致しました。
国内移動の場合、飛行している時間よりも、手荷物預け、保安検査、離陸待ち、飛行場内移動の時間のほうが長かったりします。
ふと周りを見ると、皆さん長袖、長ズボンです。
半袖、半ズボンというのは、私ただ一人であります。
これはいったい。。。
少しだけ嫌な予感がしてきました。
6 寒い
(1) 空港の外にでますと、寒い!!
涼しいを通り越して、寒いレベルです。
ぬおおおおお。。。。
ロードバイクを組み立て、釧路に向かいます。
最寄りの街とはいいながら、20kmほどあります。
(2) 釧路で一番大きいホームセンターに行きました。
店内を見ると。。。
あれ、普通のホームセンターであればたくさんあるはずの、アウトドアグッズがありません。
店員さんに伺うと、申し訳無さそうに、アウトドア用品はもうだいぶ減らしてしまって。。。と案内された先にあったのは、バーベキュー用品などが少しだけ。
しかも、オートキャンプが大前提のようで、小型軽量の用品は一切ありません。
テントも寝袋もマットも、何もなにも無い!!
OD缶もありません。
こんなことが!?
関東であれば9月下旬はまさにキャンプシーズン真っ盛りで、どこのキャンプ場も盛況でありますが、ここ北海道ではキャンプシーズンはすでに終わっているのでしょうか。
また、あまりにもオートキャンプが自明すぎて、軽量な装備など、そもそも買う人はいないのでしょう。
これほどの広大な大地では、オートキャンプが前提なのも、さもありなん。
自転車で北海道を巡るなど、よほどの酔狂な人間以外、いないに違いありません。
これは大きくアテが外れました。
どうしたものか。。。
(3) このままでは夜間、低体温症で他界しかねないため、ひとまず100円ショップに向かいました。
そして、アルミマットを二枚、購入しました。
テント内でこれに挟まって丸くなれば、ひとまず死は免れます。
よし。
しかし、寝袋をなんとか調達したい。
今回のツーリングは四日の予定で、四日間、寒さに凍えながら過ごすのは避けたいのです。
ホームセンターのそばに、ワークマンプラスがあったため、電話で問い合わせてみます。
ワークマンは最近、アウトドアグッズも扱っていると聞いたため、一縷ののぞみをかけて、お電話してみます。
お店の方がおでになって、そちらの店舗様では寝袋のお取り扱いはございますかとお尋ねすると、申し訳無さそうに、寝袋はネット注文のみなのです、とのこと。
ぐわああああああ!!
釧路に寝袋は売っていない!!
なぜだ!!
なぜなのだーーーーっ!!
私は叫びたくなりました。
7 中古用品店へ
そして、しばらくうなだれていると、ぴこーん!!と妙案が浮かびました。
地方の都市には、意外に中古用品店というものがあります。
釧路のキャンプシーズンが終わったというのであれば、むしろ人々が不要になったキャンプ用具をそういったお店に売りに来ているに違いない。
中古用品店を探すと、ありました!!
これは天恵!!
寝袋がこんなにたくさんある!!
選び放題ではありませんか!!
私は滂沱(ぼうだ)の涙を流し、赤い寝袋を買い求めました。
お値段¥2,400。
安!!
ひとまず寝袋と¥100のアルミマットを手に入れた私は、意気揚々と出発致しました。
8 出発
セイコーマートです!!
これは幸先が良い。
ソフトカツゲンと¥118パスタを2つ食します。
パスタが安すぎます。
これで利益が出ているのですか!?
ありがたい!!
道中、ダイソーを発見したため、立ち寄ります。
うおおおおおおお!!
ホームセンターよりも、どこよりもダイソーが一番アウトドアグッズが充実している!!
なんだこの現象は!!
(私の勝手な推測ですが、ダイソーさんは全国展開しているお店で、北海道色がそれほど強くありません。前述しましたように、本州ではまだまだキャンプシーズンであり、商品をある程度画一的に仕入れ、展開しているからではないか、と思われます。)
OD缶がまったく入手できないため、ダイソーで固形燃料のストーブ¥200と固形燃料¥100を購入しました。
これで火を扱うことができる!!
人類と、他の生物との決定的な違いを見せつけてくれよう!!
最低限の道具がそろったため、気分も晴れやかに、ずんずんと進んでいきます。
9 パンク
(1) 気分良く走っていると、妙にフロントタイヤがぶりぶり言っています。
嫌な予感が。。。
見ると、フロントタイヤがパンクしています。
はぐわーーーーーーっ!!
今回のツーリングは、やや呪われています。
冒頭で述べましたように、パンク修理用のゴムのりは飛行機で没収されるため、持っていません。
そして、フロントタイヤは650Bという極太のタイヤを履いていたのですが、今までパンクしたことが無かったため、今回も大丈夫だろうと替えのチューブを持ってきていなかったのです。
万事休す!!
いいや!!
最後の最後の保険として、携帯ポンプを持っています。
GIANTの携帯ポンプで、これであれば7気圧くらいまで、比較的ラクに注入できます。
また、長いホースがついているため、バルブに負担をかけにくく、パンク修理をして一生懸命携帯ポンプで空気を入れていたら、バルブ根本を折ってしまったという、よくありがちな二次災害を防ぐことが可能です。
(2) とは言え、最寄りの街まであと35kmあります。
携帯ポンプで空気を入れながら、だましだまし進んでいきます。
厚岸という街に到着しました。
イオンがあったため、立ち寄ります。
が!!
自転車コーナーが無い。
北海道は自転車の人気がないのですか。
いえ、広大すぎて移動手段としての自転車は一般的ではないのでしょう。
イオンの中にあるセリアという100円ショップにも自転車コーナーはありませんでした。
ぬお。。。
無い無いづくしで、本州との違いを痛感させられます。
しかし!!
諦めない。
Google Mapで検索すると、大手チェーン店ではない100円ショップがありました。
そこに行くと、ありました!!
パンク修理キットを¥100で購入して、パンク修理をします。
10 厚岸
今日は厚岸という街に泊まります。
ややくたびれたため、お風呂に入ります。
港をのんびり走っていると、野生の鹿さんがおいででした。
最初はなにか置物かと思いましたが、リアル鹿さんでした。
夕日が美しいです。
お休みなさい。
走行距離 80kmほど
本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、bikeport新宿都庁前店の奈須野でした。