新宿都庁前店 / Campagnolo Scirocco カンパニョーロシロッコ / スポーク交換ストレートスポークの利点と

横浜西口店	TEL：045-620-3771

新宿都庁前店	TEL：03-6258-0130
湘南ベイサイド店	TEL：0466-53-7775

皆様、こんにちは!!
bikeport新宿都庁前店の奈須野です。

ある日のことでした。
お電話があり、Campagnolo Sciroccoというホイールを使っているのだが、スポークが一本折れてしまった。
修理は可能か、という内容でした。

まず、ホイールの修理の場合、お客様が電話口でスポークが折れている「だけ」とお話になっても、それ以外の箇所が壊れていることがあります。
そのため、実物を拝見していないため、断定はできませんが、スポークの修理は可能です、ただし損傷箇所がスポーク以外に及んでいる場合は、修理が不可能なこともあります。
とお伝えして、後日、ホイールをお持ち込み頂くことになりました。

ホイールを拝見すると、スポークが一本折れているだけで、リムや他のスポークには問題が無いと思われました。
G3組みと呼ばれる、3本のスポークを1つのかたまりにして組み上げる方法です。
一見してCampagnoloと分かる、ブランドアイデンティティの一つになっています。

さて、Sciroccoに使われているスポークは、ストレートスポークという、ハブ側の取り付け部分がまっすぐのスポークです。
ハイエンドホイールで、しばしば採用される規格です。

利点は、通常の首が曲がっているスポークと比べて、曲がり部分が無いため、首部分が破断することが少ないことです。
それゆえ、より高いテンションをかけることが可能です。
レースシーンでは反応速度の高いホイール、つまり高剛性のホイールが望まれることが多く、ハイエンドホイールはストレートスポークで組まれていることが多いのです。

また、より高いテンションをかけることができる、ということは少ないスポークの本数で首曲がりスポークと同程度の剛性のホイールにすることが可能になります。
使用するスポークが減る、ということは軽量化、空気抵抗の低減化につながるため、この点もストレートスポークの利点と言えます。

さらに、曲がり部分が無いため、若干ではありますが、重量を軽くすることが可能です。

しかし、利点ばかりではありません。
ストレートスポークの場合、根本までまっすぐであるため、スポークの角度を変化させることが難しいのです。

つまり、ハブ(正確にはフランジ)に切られている角度通りにスポークが通ることになります。
この角度によって、スポークの組み方に制限を受けるため、ハブとリムの規格があっていないとホイールを組めない、ということになります。
とはいえ、完成品のホイールの場合、上記問題は表面化しないでしょう。

(なお、コストを度外視する傾向のあるスポーツバイクでは問題となりにくいですが、ハブもスポークもリムも専用品を使う必要がある、ということは全てにおいて割高になる、ということでもあります。)

これに対して、首曲がりスポークであれば、フランジは穴が開いているだけでスポークの角度に柔軟性があります。
つまり、1つのハブで様々な組み方、リムに対応できる、という汎用性の高さが利点で、汎用性が高いということは製造コストを下げることができる、ということにつながります。
また、首曲がりスポークであれば、ニップルを回転させたときにスポークが同時に回転することが無く、作業効率を上げることができるため、この点でも製造コストの低減に貢献します。
いわゆるママチャリが100%、首曲がりスポークで組まれているのは、合理的なコスト削減という至上命題を満たすためなのです。

お話が横にそれましたが、今回はCampagnolo Japanから専用のストレートスポークを取り寄せることに致しました。