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DVO EMERALD オーバーホール サスペンションオーバーホール ダブルクラウンサスペンションオーバーホール

皆さんこんにちはグリーンシーズン真っ只中。

bikeportMTBテック小林です。

今回は今は廃盤となってしまいましたが、DVOが誇る初号機サスペンション“エメラルド”のオーバーホール(以下:OH)のご依頼を承りましたのでご紹介致します。

2世代前のSpecialized DEMO8です。懐かしい!! 構成を見るからに当時組んだ際にとても気合の入ったパーツ構成で組まれていますね。

ひとまず、クラウンからそれぞれのショックを外していき、動作を確認します。

エアサイドは中のピストン、シール類が劣化しているのか大分動きが渋く、ガクっガクッと言った感じで沈んでいきます。

ダンパーサイドは、特段渋さは感じませんが、内部のサスペンションオイルやシールを確認してみます。

エメラルドは倒立フォークと呼ばれる一般的なサスペンションとは逆さ向きの構成になっており、アウタ-レックが上部、インナーチューブが下部となります。

インナーチューブを抜き表面に傷がないか確認をします。傷があると沈み込んだ際に傷の部分からアウターレック内に異物が入りやすくなったり、抵抗になってしまうので、コンペティションをされている方はインナーチューブに傷が入った段階で使用するのをおすすめしません。

まずはとても動きの渋いエアサイドを開けていきます。

※エアサイドは高圧の空気が封入されているので、空ける際は必ずエアを抜ききってから作業を進めて下さい。

エアリリースキャップを外してくと中から、ドロドロと酸化したサスペンションオイルが出てきました。

更にインナーチューブ内からエアサイドのユニット一式を取り出していきます。 コイルカバー、コイル、ピストンの状態を確認します。

ピストンは変色と摩耗しており、、シール部のOリングもヘタっているようです。

ピストンやOリング一式を一旦除去し、インナーレック内のすべてのパーツをクリーニングします。

クリーニング後ピストンやOリングは新しい物へ交換します。 カーラー内など内部で動きが激しく抵抗がかかる箇所には積極的にサスペンション用のグリスを塗布していきます。

アウターレック内のシールを外していきます。 このシールはインナーチューブが沈み込む(入力)際にダストがアウターレック内に侵入することを防ぐだけではなく、インナーチューブの潤滑も担っています。繰り返し抵抗がかかりやすいところですので、こちらも交換していきます。シールに関してはOH毎に交換をおすすめします。

最後にインナーチューブにユニットを戻し、インナーチューブをアウターレッグに戻していきます。その際にアウターレック側インナーチューブ側へそれぞれ潤活用に10CCのサスペンションオイルを封入し直し、適正トルクでエアサイドのキャップをそれぞれ締め込みます。

ダンパーサイドの作業に入ります。

ダンパーサイドからはキャップを外すと、大量のサスペンションオイルが排出されます。

DVOサスペンションオーバーホール DVO OH  MTB Suspension OH

 

今回のエメラルドは“オープンバス”と呼ばれる構造になっており。ダンパーユニットがカートリッジで覆われているタイプではありません。

※前回の小林のブログでDVOをDIAMONDをOHしましたがDIAMONDはカートリッジ式になっています。

インナーレッグ内に直にオイルが入っているイメージです。

およそ330ccのオイルが内部から排出されました。古いオイルが残っているとダンパー内を流動するオイルの動きにムラが出てしまうので、しっかり脱脂とクリーニングをして古いオイルを抜き切ります。

これがエメラルドの心臓部といえるプラダ- 以前のブログでも一度外したところをお見せしていますね。

しっかりクリーニングしていきます。プラダ-の上部のダブルコンプレッションダイアルを回すことによって、行き来する油量が調整できるので、low and highスピードのコンプレッション(入力)を調整することができます。

今回はコンプレッションダイアルも分解し、クリーニングと内部のベアリングに注油を施しました。

こちらもアウターレッグ内のシールキットを交換してきます。朝飯前です。グリスを塗り直します。

クリーニングとグリスの塗布が完了したら、新しいサスペンションオイルを330cc充填します。

使ったオイルは今回も非公開とさせていただきますが、今回も問屋さんに教えていただいた安定性抜群のサスペンションオイルを採用させて頂きました。

こちらもそれぞれキャップを適正トルクで固定し動作を確認します。

エアサイドにはひとまず最低圧の60PSI入れてインナーチューブがしっかり200mm伸びてくるか確認し、動作テストを行います。この時OTT(OFF  THE TOP)は最弱設定にします。

余談ではありますがライダーの体重+衣類やプロテクターを含めた重量が非常に軽いことから、デフォルトの設定も全て最弱設定になります。

動きの激渋だったエアサイドもヌルヌル動くようになり、ダンパーサイドもメリハリのある動きが復活しました。

いかがだったでしょうか?

MTBの心臓部といっても過言ではないサスペンション。

コンペティション利用の方は半年から1年に1度は点検を。

ファンライドで使用されている方は、少なくとも1年から2年に一度は点検にお持ち込み下さい。

サスペンションのOHのご相談もドシドシお待ちしております。

以上小林でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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