さてグリーンシーズンまであと1か月弱。
皆さんMTBの準備はできていますかー?
小林は絶賛準備中につきMTBがバラバラになっております。ハブやサスペンションまでバラバラです。
さて今回は購入してからノーメンテナンスの封印されし、サスペンションのオーバーホール。
ダンパーオイルの交換や、内部の清掃、グリスアップを行います。
また内部のパーツ劣化がないかも確認していきます。
まずはエア質からエアを抜ききります。←非常に重要
エアを抜ききったらOTT、やコンプレッション、リバウンドを最弱に設定しておきます。
アウターレッグからインナーレッグの固定用のロックナットを緩め、ダンパーユニットとエア室側のユニットを叩き出します。
そうするとインナーレッグごとそれぞれのユニットが抜けます。
インナーレッグの中にこのような形で、写真左側にダンパーユニット、右側にエア室になっています。
インナーチューブに傷がないかも確認します。
傷があるとボトム(沈んだ)した際に傷の部分からごみや水分がアウターレッグの内側に侵入しやすくなってしまいます。
エア室側のピストン付近からは黒いオイルが見えています。
インナーレッグ内側に入っていた潤滑油が真っ黒になっていました。
続いてはインナーレッグからダンパーを取り出して、ダンパーを封入しているカートリッジ内のダンパーオイルを交換していきます。
コンプレッションダイアルを分解していきます。ダイアル内側にはこのようなベアリングが4つ収まっており、このベアリングのおかげダイアルが回せるようになっています。ここもクリーンングしたあと軽く注油をします。渋かったダイアルがぬるぬると動くようになりました。
ソケットレンチを使い、ダンパーをインナレッグのカートリッジから引き抜きます。
これが、DVOの心臓部のプラダーと呼ばれるダンパーユニット。
※ROCK SHOXはチャージャー2.1ダンパー、FOXはGRIP2ダンパーと呼んでますね。
ダンパーは簡単に言うと振動をいち早く収束させる機能を有したパーツです。
このダンパーを制御しきることで、悪路をハイスピードで走行しても抜群のグリップ力を発揮します。
カートリッジ内にひたひたに浸っていたのを抜き出し、クリーニングとカートリッジ内のオイルも交換します。
この中心部のゴムの袋の部分が、下部のシャフトが伸縮する動きによってダンパーオイルを吸い込んだり、吐き出したりすることで、カートリッジ内でオイルが循環しています。このオイルの循環する油量をコンプレッションダイアルで調整することにより縮むスピードを制御しています。またこのダンパーオイルに関してはメーカーごとに推奨オイルが存在します。
今回は問屋さん直伝、秘伝のダンパーオイルを用意してオイルを交換しました。(非公開)
今回使用したオイルは高温から低温まで熱ダレ(熱による性能低下)しにくい仕様のオイルでレースにもオススメとのこと。
インナーレッグ内部もクリーニングをした後に、80ccカートリッジ内にオイルを注ぎ、ダンパーを戻します。
この時がなるべくエアが入らないように気をつけます。ダンパー上部にはエア抜き用のネジがついているので下部シャフトを動かしながらエアを抜き、必要に応じてオイルを注ぎます。
ダンパーのカートリッジ内にエアが入ってしまうと底づきのリスクや、ダンパーの制動にムラがでますので要注意。
今度はアウターレッグの内側を見ていきます。
シールキットに汚れやオイルが抜けていないか確認をします。少し見えづらいですが、真ん中のスポンジのような部分がオイルで浸されており、インナーレッグの潤滑を担っているのと外部からの砂粒や水分からインナーレッグを保護しているのです。
ここもクリーニングと新しくオイルに浸して戻します。
各部Oリングやシールには特に劣化が見られなかったので今回はこのまま必要な部分にサスペンション用グリスを塗り戻していきいます。
これはリバウンドシャフトもクリーニングとロックタイト、グリスを塗りなおし、締め付けトルクを確認しながら戻していきます。
最後にアウターレッグ内にもそれぞれ、10㏄ほど潤滑用のオイルを入れておきます。(先ほど黒ずんでいたので)
もとに戻してみましたが、ダンパーオイルが新しくなり、特性も変わったようで、動きが格段に良くなりました。
私はコンペティションでも使うので、次のシーズンが楽しみです。
またサスペンションは、各部締め付けの確認や、オイルチェック、ダストシール等の確認は、1シーズンごとに必要です。
bikeportではサスペンション各種のオーバーホール、補修パーツの取り寄せ等対応可能です。
ぜひ店舗スタッフまでご相談ください。