皆様、こんにちは!!
bikeport新宿都庁前店の奈須野です。
ある日のことでした。
お電話があり、1970年代のショップで組んでもらったロードバイクに乗っているのだが、そのメンテナンス、オーバーホールのようなものはお願いできるか、ということでした。
ありがたいことに、当店のブログをいくつかご覧になっていた、とのこと。
私は、車体の状態次第ですが、可能です、とお応えしました。
後日、お客様がご来店になりました。
拝見すると、とても50年前のバイクとは思えません。
もちろん、それぞれの規格は古いものの、非常に状態が良いです。
まず、お客様のご要望としては、自分ではなかなか出来ない箇所のメンテナンスをしてほしい、ということでした。
つまり、ボトムブラケット、ホイールのハブ、ペダルなどなど、回転部分のオーバーホールをしてほしい。
タイヤ、ブレーキシューを交換。
ワイヤーの交換が必要であればそれも。
といった内容でした。
私は了解致しましたとお応えして、費用はおおよそ¥40,000くらい、納期は1-2週間ほどになる、とお伝えしました。
作業開始です!!
シフトワイヤーを新品のものに交換致しました。
シフターは当然ながら、ダブルレバーです。
チェーンホイールを可能な限りクリーニングしました。
クランクは、なんと!!
コッタードクランクです。
そもそも、コッターとは、cotter 英語で、ピン、くさびのことです。
クランクとBBをピンで固定する、という文字通りロストテクノロジー、太古の秘法なのであります。
そして、コッターが無いクランクというものが発明され、それはコッターレスクランクと言われるようになりました。
そのクランクを取り外す工具がコッタレス抜きというものでして、コッターピンがついていないクランクを取り外す工具という意味であります。
現代では、コッターがついているクランクは絶滅したために、コッターという名称だけが生き残っている、という状態です。
ディレイラーにはカンパニョーロの文字が見えます。
可能な限りクリーニングをしました。
今でこそ700C クリンチャータイヤ全盛の時代でありますが、20世紀のロードバイクはチューブラータイヤを履いていたものでした。
今でもチューブラータイヤは生産されているため、新品に交換可能です。
チューブラータイヤの固定は、かつてはリムセメントという接着剤でリムとタイヤを接着する、というものが主流でしたが、リムセメントの剥離に手間がかかる、ということで、チューブラーテープに移行しました。
タイヤをベリベリと剥がしていきます。
どうやらチューブラーテープをお使いのようです。
テープを綺麗に剥がしていきます。
新しいチューブラーテープを貼ります。
タイヤを装着します。
ただタイヤを装着しただけでは、タイヤが正確に中央には乗っていないため、タイヤのセンター出しをします。
ペダルのオーバーホールをします。
ペダルのガタが出ていて、さらに回転も悪くなっていました。
ベアリングを取り出して、クリーニングをします。
グリスを充填して、玉当たり調整をします。
ガタもなくなり、くるくるとよく回るペダルに生まれ変わりました。
ホイールのハブをオーバーホールします。
クリーニングをして、新しいグリスを充填し、玉当たり調整をしました。
見違えるくらい、よく回るホイールになりました。
フロントホイールはフレが大きかったため、フレをとりました。
スポークを一本一本磨きました。
かすかにサビがあったものの、だいぶんきれいにになりました。
フレームをクリーニング、キズを可能な限りとりました。
ガラスコーティングをかけます。
フレームポンプが搭載されています。
BBはガタも無く、回転も良かったため、分解しませんでした。
(ビンテージバイクで特に問題が無い箇所を分解すると、かえって状態が悪化することがあります。そのため、良好な状態であれば、敢えて分解はせずに、外装のみクリーニングということは往々にしてあります)
ブレーキシューを新品のものに交換致しました。
完成です!!
パーツ代、工賃含めて¥29,520となりました。
納期は10日となりました。
お客様からすごい綺麗になってる!! 嬉しい!!とお褒めの言葉を頂きまして、ありがたいことなのでした。
ちょうど車体のお色に合う、ボトルケージとボトルも追加でご購入いただきました。
GIANT
LIV AIRWAY SPORT ¥1,320 (税込) カメレオンブルー・ホワイト・シルバー
本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、bikeport新宿都庁前店の奈須野でした。
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