皆様、こんにちは!!
bikeport新宿都庁前店の奈須野です。
ある日のことでした。
転勤先の移動手段として、適当なバイクを購入したが、やはり回転部分の抵抗が気になる、とのことで、ボトムブラケットの交換を承りました。
車体はGIOS FENICE。
今となっては珍しいクロモリバイクで、コンポーネントはClarisです。
完成車価格はちょうど10万円くらいのモデルです。
拝見すると、ブレーキは105に、ホイールはMAVIC Ksyrium Sに換装してありまして、おお、この方はロードバイクのアップグレードというものをよく分かっておられるなと感心致しました。
Ksyrium Sは前後で¥66,000ほどで、ロードバイクのアップグレードホイールとしては合理的な選択肢です。
(蛇足ではありますが、ロードバイクにおいて走行性能にもっとも影響を与えるのは、フレームです。フレーム以外となりますと、第一にホイール、タイヤの性能が極めて重要です。第二に、費用対効果が高いのはブレーキです。すこしグレードを上げるだけで圧倒的に制動力、コントロール性が向上します。)
さて、ボトムブラケット(BB)を交換したい、というのが今回のご来店の趣旨で、TNIというブランドのエクスターナル セラミックBB (シマノ/JIS) External-24 ¥13,200(税込)に交換することとなりました。
TNIというのは、高品質なサイクルパーツを比較的低廉に提供しているブランドで、私もお気に入りの一つであります。
BBはスポーツバイクの回転部分の根幹となるパーツで、回転抵抗の低さ、精度の高さなどが特に求められるパーツです。
お選び頂いたBBは、セラミックBBというもので、ボールベアリングがセラミックで出来ております。
通常のBBはボールベアリングがスチールで、これはshimanoのDURA-ACEですらスチールなのですが、マニアックなアップグレードパーツとして、セラミックBBというものが存在します。
ボールベアリングをセラミックにすると、何が良いのか。
まず、重量です。
スチールよりもセラミックベアリングのほうが軽量になります。
BB単体では10数グラムといった差しかありませんが、マシン全体をセラミックベアリングに変えたとすれば、100g程度の軽量化が可能になります。
次に、回転抵抗の低さです。
スチールベアリングよりも、セラミックベアリングのほうがより真円に近く、その分だけ回転抵抗が低くなります。
そして、硬いこと。
セラミックのほうが硬度が高く、高トルク時でもボールベアリングの変形が少ないため、エネルギーロスが少なくなる。
以上のような利点があります。
マイナス点としては、圧倒的に高価であること。
DURA-ACEのBBですら¥4,000ほどであるのに対して、本製品は¥13,200です。
3倍以上のお値段となりますが、そこはマシンの性能にどこまでこだわるか、ということでありましょう。
それでは交換開始です!!
クランクを外します。
Clarisはエントリグレードながらも、ホローテックII規格が採用されておりまして、ロードバイクとして十分成立しているところが素晴らしいです。
ボトムブラケットを外します。
外れました。
ほとんど新車同然の状態であるため、BBシェル内は極めて綺麗です。
とはいえ、せっかくBB内部を開けたため、クリーニングとグリスアップをします。
こちらが換装するBBです。
シールドベアリングが、するすると、非常に滑らかに回転します。
BBの音なりを防ぐため、グリスをたっぷりと塗ります。
新しいBBを装着します。
完成です!!
素晴らしく良く回るクランクに生まれ変わりました。
パーツ代を含めて、¥15,200(税込)となりました。
本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、bikeport新宿都庁前店の奈須野でした。