皆様、こんにちは!!
bikeport新宿都庁前店の奈須野です。
ある日のことでした。
GIANT IDIOM 2 ¥69,300(税込)のご成約となりました。
お客様から事前に、納車時にあれこれとカスタマイズをしたいとお話を伺っていて、私もいくつかの腹案を用意しておりました。
お客様とお話をする過程で、ひとまず、ブレーキだけでも上位グレードに交換したい、2,3年たって、オーバーホールする際にコンポーネント総入れ替えをする予定である、とのことでした。
私は猛烈に感銘を受けました。
GIANTの完成車は、非常にトータルバランスが優れておりますが、それでも価格を抑えるために犠牲になっている部分もあります。
予算を抑えてバイクの性能を向上させたい、そういうリクエストがある場合には、このようにお応えしています。
まず、ブレーキとタイヤを変えるべし。
ブレーキは、費用対効果の高いパーツです。
完成車に付属してくるブレーキは、正面からの写真、画像に写らないからなのか、例えば「コンポーネントは105!!」とか宣伝をしながらも、実は105以下のグレードのものが採用されたり、といった完成車価格を抑えるためのワザが駆使されていることが多々あります。
もちろんお安いブレーキであったとしても、GIANTの完成車に搭載されているブレーキは、通常の街乗り用途であれば、十分な制動力があります。
しかし!!
雨の日、長い下り坂といった悪条件が重なりますと、どうしてもエントリーグレードのブレーキでは荷が重く、制動力不足となります。
さらに、ブレーキはバイクに乗っていて常に触れるパーツで、その動き、さわり心地、剛性感といった、制動力とは直接関係の無い、官能性能ともいうべき側面も重要なのです。
グレードが上がるほど、悪条件でも制動力が落ちず、カチッとしたブレーキのタッチで、ブレーキの戻りもキビキビしています。
そういう質の良いパーツに触れていることの嬉しさ、楽しさというのは、バイク乗りにとって、実は大切な性能なのです。
GIANT IDIOM 2に標準装備されているブレーキは、TEKTRO R313というモデルで、前後で¥4,500ほどのブレーキです。
いわゆるママチャリに搭載されているブレーキに比べれば、遥かに高級品、いえ、超高級品と言って良いでしょう。
しかし。。。
ことスポーツバイクとしては、一番お安い部類という位置づけです。
例えば、SHIMANOのコンポーネント名がついているキャリパーブレーキで、最もエントリーグレードのClarisで前後セットが¥5,500ほどですから、それよりもお安いということになります。
お値段がすべて、という訳ではありませんが、ことブレーキの制動力、剛性感については、ほぼお値段に正比例します。
お客様もこの点を十分お分かりなのでしょう、最初からSHIMANO 105に換装したい、とおっしゃいました。
BR-R7000 前後セットで¥10,500ほどです。
105以上のブレーキは、明らかに剛性が高くできています。
高剛性のブレーキは、高速走行時の安定性、制動力の低下が少なく、安心して速度を上げることができるのです。
私の超個人的な経験でありますが、105以下のキャリパーブレーキで雨の箱根をダウンヒルすると、指の力が猛烈に必要で、私には指休憩というものが必要でした。
宮ノ下、大平台といった箇所で休憩しないと、指が疲れてしまうのです。
しかし、105以上のキャリパーブレーキでは、指休憩をする必要もなく、そのままススっと下ることができました。
ブレーキのグレードって重要、と思った瞬間なのでした。
タイヤも費用対効果の高いアップグレード方法で、本稿では詳述いたしませんが、おおむね¥5,000以上のタイヤに履き替えると明らかに巡航速度が上がり、コーナリングも楽になります。
タイヤは消耗するからもったいない、という方もいらっしゃいますが、個人的な見解としては、バイクというのはすべてが消耗品で、パーツの進化も著しく、5年もすれば型落ちになってしまう運命にあるのであるから、現役世代のうちは良いタイヤを履いて活躍させるべきである、と思う次第なのです。
ブレーキを換装します。
まず、初期装備されているブレーキを外します。
105に換装します。
105のロゴが燦然と輝いています。
心なしか、GIANTのロゴと色合い、書体も調和しています。
次に、本車体はセンタースタンドも取り付けることになりました。
しかし!!
スタンドが、センタースタンドのガイドに入りません。
実は、こういうことはままあるのです。
塗装がフレームの細かい部分に入り、本来の仕様よりも狭くなっているのです。
フレームや塗装をゴリゴリと削ることはためらわれるため、センタースタンドの方を加工することにしました。
ヤスリで、0.5mmほどですが、スタンドを削ります。
ぴったりと装着できるようになりました。
グリップを現代的なエルゴノミックタイプに換装します。
IDIOMのグリップは固い、丸いグリップです。
私は手の皮が厚いのでまったく問題ありませんが、女性など、華奢な手のひらの方は、握っていて少し痛いかもしれません。
完成です!!
カスタマイズ費用は、¥13,556(税込)となりました。
本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、bikeport新宿都庁前店の奈須野でした。
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