皆様、こんにちは!!
bikeport新宿都庁前店の奈須野です。
本記事は
新宿都庁前店 1990年代後半 ビンテージバイク / Panasonic Les Maillots パナソニック レ マイヨ / オーバーホール / 打ち合わせ編
の続きです。
古くなったワイヤーをカット、除去していきます。
昔のロードバイクはワイヤーが外部に露出していることが多く、ケーブルの経路が素直、メンテナンスしやすいという利点がありました。
(現代のバイクは軽量化という点では、進化の終着点に到達した感があり、より速度を増すとなればいかに空気抵抗を低減させるかに注力するようになりました。そこで、ケーブルといえども可能な限り露出させず、フレーム内部に通すことが多くなりました。これには、フレームの成形技術が上がったこと、油圧ディスクブレーキ、電動コンポーネント等、強引なルーティングでも抵抗が増えない、増えにくい機構が増えたこと、などが影響しています。)
バーテープを剥がします。
STIレバーのノッチが全く効きません。
シフターを操作しても、クリック感がありません。
分解、清掃、注油を試みますが、内部のノッチが完全に摩滅していると思われます。
SHIMANOもSTIレバーのコアの部分については、分解をしてはならない、と指定しておりまして、交換パーツも販売されていません。
そのため、残念でございますが、STIレバーはオーバーホールではなく、新品に交換することに致しました。
いわゆる触覚型という、シフトワイヤーが横から飛びたすSTIレバーです。
現行のコンポーネントでは、SHIMANO TOURNEYで同じ機構のものがリリースされています。
また、お持ち込み頂いた車体は、フロント2段、リア7段で、これもまた幸いなことに、現行のTOURNEYと同じです。
そこで、TOURNEYのSTIレバーを使うことに致しました。
フロントホイール、リアホイールを外します。
ヘッドを分解します。
かなりサビがでています。
このままサビが進行すると、いずれステムが内部で固着して、取り外しができなくなるでしょう。
ベアリングを露出させます。
グリスが古くなり、動きが渋くなっていました。
ベアリングをクリーニング、グリスアップします。
グリスには、SHIMANO DURA-ACEグリス(SHIMANO プレミアムグリス)を使います。
素晴らしく回転が良くなりました。
クランク、ボトムブラケットを分解します。
BB内部にもサビがでておりました。
BBをクリーニングします。
シールド部分に詰まっている砂を除去して、回転を良くします。
シェル内、BBに十分グリスを塗布して、再装填します。
今回は、ホイールハブのオーバーホールも承っているため、ハブを分解します。
ベアリングを取り出し、グリスアップをします。
玉あたり調整をします。
フレームだけになりました。
ブレーキキャリパーをクリーニングします。
ディレイラーのプーリーをオーバーホールします。
分解をして、注油をします。
プーリーの回転がとても良くなりました。
チェーンホイールを分解、クリーニングします。
再装填します。
新しいSTIレバーを装着します。
SHIMANO TOURNEYは前述しましたように、ワイヤーの取り回しがいい意味で単純、素直であるため、動きが軽いのが特徴です。
また、ワイヤーを無理くり曲げたりしないため、ワイヤーに負担がかかりにくく、STIレバー内でワイヤーが切断する、といったことも起きにくくなっています。
金型に、従来のCLARISのものを使っているようで、シルエットがそっくりです。
金型を使い回すことでコストダウンを図っているのでしょう。
合理的な選択と思われます。
質感も良好で、TOURNEY侮れないというクオリティでございます。
こちらが交換前の状態です。
バーテープを巻き直します。
今回も、ホワイトです。
フレームをクリーニング、キズ消し、ガラスコーティングしました。
汚れを落として、キズを消して、という作業を3回繰り返しました。
最後に、ガラスコーティングを塗布します。
ブレーキシューを105/ULTEGRAグレードのものと交換致しました。
チェーンを新しいものに交換致しました。
試乗チェックをしましたところ、歯飛びもなく、交換は成功致しました。
リアディレイラーはピカピカになりました。
サドルは新品に交換致しました。
GIANT APPROACHサドルです。
サドル中央を大胆にカットして、長時間のライドでも負担を軽減してくれます。
重量は310g
スチールレールながら十分に軽量です。
デザインも現代的で、よろしいのではないかと思われます。
こちらが交換前のものです。
ワイヤー類も全て新品に交換しました。
こちらが交換前の状態です。
ホイール、スポークも可能な限りクリーニングをしました。
こちらがクリーニング前の状態です。
完成です!!
4月3日にお預かりして、4月14日に作業完了致しました。
パーツ代、工賃を含めて、¥78,760(税込)となりました。
本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、bikeport新宿都庁前店の奈須野でした。
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