皆様、こんにちは!!
bikeport新宿都庁前店の奈須野です。
ある日のことでした。
常連様からご連絡がありまして、ママチャリをカスタマイズしたい、というお話でございました。
実はこの車体は、初カスタマイズというわけではなく、すでに横浜店でボトムブラケットをホローテック化、SHIMANO DEOREのクランク、RACE FACEのナローワイドチェーンリングに換装済みという、歴戦のツワモノなのです。
今回は、消耗したパーツを中心に交換し、さらに、ハンドル周りをスッキリさせたい、というご要望でした。
お客様がご来店になりまして、お話を伺いながら、様々なご提案をしていきます。
まず、ブレーキシューの損耗が大きかったため、新しいものに交換することに致しました。
ブレーキシューには様々なグレードがありまして、基本的にはお安いものほど固く、シューの減りが控えめになっています。
このように書くとお安いシューのほうが長持ちして、お得ではないか!?とお思いになるかもしれませんが、実はその真逆です。
シューが固いということは、それだけリムを削り、またエネルギーを吸収しないということなのです。
つまり、ハイグレードなシューほど柔らかく、リム面を傷めずに、かつスピード調整が容易になっています。
その代償として、減りが速いのです。
オーナー様の車体には、すでにSHIMANO R55C4という、DURA-ACE、ULTEGRA、105グレードと同じシューが装着されていたため、今回も同じものを装着することに致しました。
オーナー様はロードバイクもお持ちでありますが、本車体もしばしばお乗りになる、とのことで、スプロケットも新品に交換することに致しました。
ボスフリーという規格のものです。
余談になりますが、代表的なスプロケットの規格には、ボスフリーとカセット式のものがあります。
ボスフリーとは、スポーツバイクでは一昔前に主流であった規格ですが、ママチャリには今でも現役で採用されています。
カセットスプロケットとはスポーツバイクでおなじみの規格です。
両者の決定的な違いは、クランクを逆回転させたときに空転する、フリーボディがスプロケットに内蔵されているのか、ホイールに搭載されているのか、にあります。
スプロケットに内蔵されているのがボスフリー、ホイールに装着されているのものがカセットスプロケットとなります。
スプロケットを取り外すには、それぞれ専用の工具が必要になりますから、ご注意ください。
また、ボスフリースプロケットは、スプロケットに対して、常に正回転の力が加わり、ホイールとの結合部分が締まろうとするために、取り外すことが困難、不可能という場合もあります。
先述しましたように、今回はボスフリーのスプロケット、7速のものを新調します。
チェーンも併せて新品に交換致します。
タイヤは、堅牢性を重視して、SCHWALBE シュワルベ マラソン 26*1 3/8に致しました。
ブレーキワイヤーが古くなっていたため、アウター、インナー共に交換します。
サドルも新しいものに交換します。
GIANT COMFORT LITE SADDLEです。
今回のカスタマイズのメインテーマ、ハンドルまわりです。
まず、従来お使いのバスケット、キャリアと、ブレーキレバーが干渉しています。
あまり使いやすいとは言いにくい状態です。
そこで、バスケットの背を低くして、ブレーキレバー周辺のクリアランスを確保します。
また、前傾姿勢をもっと強くしたい、とのご要望で、ここは思い切って大改造することに致しました。
前傾姿勢を強くするためには、ステムを前方に伸ばす必要がありますが、ロードバイク用のものであれば長大なステムも存在するものの、ママチャリ用ステムには、そのような製品は存在しません。
そこで、ステムを丸ごとロードバイクと同じ規格に換装することに致しました。
ママチャリ、あるいはビンテージバイクに採用されているのはスレッドステムという規格で、ステムがにょいーんと下に伸びて、固定用の臼があります。
この臼がヘッドチューブ内で広がり、ステムを固定します。
これに対して、現代のスポーツバイクで主流の規格は、アヘッドステムというもので、フロントフォークがヘッドチューブを貫通し、そのヘッドチューブにステムを固定する規格です。
今回は、ヘッドチューブ内は臼で固定するスレッドステム式でありながら、上部はアヘッドステムを装着可能、というコンバーターを装着することに致しました。
このコンバーターを使えば、以後、現代のアヘッドステムが装着可能になるため、様々な長さ、角度の製品を選ぶことができるようになります。
ステムは前傾姿勢を強くする、という目的に沿うため、やや長めのものを選択しました。
バスケットは背が低く、それでいておしゃれなものを探します。
バーエンドバーも装着することになりました。
パーツ代を含めて、¥70,000(税込)ほどになる、とお伝えをして、ご了承を得ました。
本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、bikeport新宿都庁前店の奈須野でした。
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