ドリームビルド
その名の通り誰もが夢見る至高のバイクをまたも組立ててしまいましたので今回は新たなる夢のバイクをご紹介致します。
今回も以前にご紹介したGIANT GLORY ADVANCEDをベースに、オーナー様の希望をほとんど無視して勝手にパーツ構成に入ります。←冗談です笑
まずはコンポーネントを一式外していきます。
というかフレーム以外はほとんど使いません(笑)
今回の工程はこんな感じ
1.フレ―ムの塗装
2.ホイール組
3.コンポーネント(サスペンションを含む)再構成
フレームの塗装はオーナー様がF1のジョーダン・ホンダのチームカラーのイメージをご希望されたので、イエローベースにデザインしなおしました。
光のごとく速く走ることができそうです。
ごらんのとおりほぼ原形をとどめていません。
ホイール・タイヤ
性能に大きく関わるホイールも拘りました。
ハブは当店お馴染みのインダストリーナインのHYDRA ハブ(690ノッチ)をメインに、リムは”DT SWISS”のFR(フリーライド用)560のリムを採用しました。スポークはイエローで、ニップルは赤色の物をチョイス。ホイールのカラーオーダーも承っております。
フリーライド用のリムは耐久性も非常に高いので、悪路をハイスピードで駆け下りるようなダウンヒルの用途では最適です。
RED BULL RAMPAGEのような崖を降りるようなシーンにも最適ですよ笑
前後32ホールのリムとハブを用いて横と縦からの力に強い2クロス(6本組)で組上げました。
DT SWISSの場合、リム名の頭文字がEX(エンデューロ~)、AM(オールマウンテン~)、XC(クロスカントリー)のようにカテゴリーごとにリムの名称も変わってきますので、お客様のライドスタイルに合わせてリムもご提案しておりますので、お気軽にご相談下さい。
ここまでのホイールを組んでおいてタイヤだけ手を抜くことはできません。
今回はMAXXISのASSEGAI(アセガイ)を採用しました。世界チャンピオンのグレッグ・ミナーが監修で、ダウンヒルの定番タイヤであったミニオンDHFとDHRのトレッドパターンを組み合わせたセンタートレッドで、転がりの良さと、強力なブレーキング性能を持っており、サイドノブはハイローラーⅡのパターンを応用し、バイクを寝かせた状態での安定性を強化したタイヤになっています。
当店のブログでも度々登場するダウンヒルタイヤですが、ウェットな富士見パノラマ、ウィスラーのようなワールドクラスでも対応できる最強のダウンヒルタイヤです。
1本1万円弱する高価なタイヤですが、ダウンヒルからエンデューロ、さらにはドライからウェットまで幅広くカバーする超強力なタイヤですので、違いを感じていただけることでしょう。
実はタイヤの中身にも妥協をしていません。
タイヤの内側にはリム打ちによるリムの破損を防ぐため、”CUSH CORE”(クッシュコア)インサートを封入してます。
クッシュコアはチューブレスタイヤを調整可能(空気の量を変えれば)なエアスプリング(タイヤ内の空気の層)と、フォームダンパー(クッシュコア)を備えたサスペンションに変換します。またシーラントをすわない不浸透性素材のクローズドセルポリオレフィンフォームが~と難しい話になりそうだったので今回は割愛しますが、本来は先程記載したように“リムの破損を防ぐため”に入れているものです。
これにより、かなり減圧した状態で走行し、リム打ちするような激しいシーンでもクッシュコアが潰れてくれることによってリムへのダメージを防ぐことが可能です。
重量は増しますが、リムが潰れてしまうリスクと、適正圧より減圧して走ることができるメリット(より高いグリップ力が得られる)を考えれば非常に有効なカスタマイズです。
サスペンション
サスペンションをはじめとしたコンポーネントもドリームビルドに恥じぬ一級品で取り揃えました。
サスペンションは、当店ではイチオシのDVOサスペンションを採用。
フロントサスペンションは今回初登場となるONYX DC(オニキス ダブルクラウン)
前回は倒立フォークのEMERALDは廃盤となってしまいましたが、DVOのダブルクラウンサスペンションとしては2代目のとなる”ONYX”を採用することにしました。
High &Low SPEED COMP リバウンド OTTを搭載しており、あらゆるライディング、コンディションに対応可能です。
2021年、2020年のダウンヒル全日本選手権はDVO採用したバイクで優勝しているんですよ。
エメラルドより軽量化しており、シングルクラウンのオニキス同様AVA(エアボリュームアジャスト)が付属しているため、高地の気圧とサスペンション内部の気圧を同期させることにより、サスペンション内外の気圧差による性能の低下を防ぎます。当然DVOの代名詞でもあるOTT(Of the top)初期動作をスムーズにする機能も搭載されていますので、ライディングスタイル、コースコンディションに合わせてシビアに調整することが可能です。ダイアモンドやオニキスSCより太いチューブで剛性も高く、落差のあるライディングやハイスピード時の安定性はシングルクラウンに比べて圧倒的に高くなっています。
いままでご紹介したDVOサスペンション同様Lowスピード、Highスピードどちらのコンプレッションも細かく調整することが可能です。
ちなみにサスペンションのアウターレッグも今回はオリジナルの塗装を施しました。
元々のカラーはこんな感じです↑
リアショックは、定番のJADEとライトスプリング(軽量バネ)の組合せを採用しました。
ハイスピードで駆け下りるダウンヒルバイクでは路面とのグリップが必要不可欠。コイル式の追従性が抜群なのでダウンヒルバイクにオススメです。
唯一欠点とも言えるのが、重量難、バネレート(コイルの硬さ)を変えることができない(コイルを買い直す)という点です。
エア式のショックであれば、軽量で、サグだしの際にエア圧を調整すれば適切な硬さに調整することが可能ですが、コイル式の場合はコイル自体を買い換える必要があります。
当店では(ライダーの体重+ウェアヘルメット類)+ライディングスタイルを加味し、適切なバネレートをご提案しています。
今回GLORYに採用したコイルのように不純物を取り除き軽量化したコイルも続々登場していますので、バネレートが決まった方は軽量コイルに手を出してみるのもオススメです。
最近ではエア式も非常に高性能なものが増えてきましたので、ダウンヒルバイクに採用しているプロライダーも増えてきている印象があります。
コンポーネンツ
ブレーキはHOPEを採用しました。HOPEはSHIMANOやSRAMとはまた一線を画す、高性能パーツに位置づけられます。
カラーや調整機能も充実しているため、コアなライダーからご要望をいただくことがあります。
今回は、“HOPEのtech3×V4”というブレーキセットを採用しました。レバーに付属している二つのダイアルはブレーキレバーの『初期位置』(指をかける位置)の調整と、握りこんでからパットをつかむまでの『制動位置』を調整できるものになっています。熱ダレによってブレーキのタッチのフィーリングが変わってしまった際などにも微調整することが可能ですので、シビアなブレーキコントロールを求められるライダーには非常におすすめの一品です。
さらにこちらのブレーキシステムのために開発されたローターがV4フローティングでよく見ると2枚のローターが重なりあっています。
アルミ製のローターを2枚重ねることによって、一枚のローターの片面しかパッドが当たりませんので、熱の上昇も通常の半分となります。計り知れない冷却性能が実現できるローターですので、激しいダウンヒルや、長時間のトレイルライドでも性能低下しにくい仕様です。
※厚さが3.3mmございますので一般的なキャリパーでは動作しませんのでご注意ください。またV4キャリパー自体は一般的なブレーキローターにも対応しています。
すでに写真でもお気づきかもしれませんが、ホースもメッシュのものを採用。メッシュだから性能が高くなるというわけでもありませんが非常にフレキシブルなホースになっていますので、取り回しのきついフレーム、リンクパターンによってはホースが引っ張られやすいといった悩みは不要です。
ハンドルは、オートバイやMTBのパーツおよび、アクセサリーの設計製造をしているイギリスの老舗メーカーの、”RENTHAL”(レンサル)のFatbar35を採用しました。ゴールドのハンドルと言ったらレンサル!!世界選手権などのトップのレーサーたちも御用達のメーカーです。
クランプ系は35mmで非常に剛性が高く、20、30、40の3種類のライズからお選びいただけます。
今回は30mmアップのハンドルを採用したので、結構上体を引きやすいと思います。
グリップはODIのエリートフロウを採用。
指がかかる部分は格子状の枠があり、手のひらの部分は少し肉厚になっています。
コントロールに重要な指の動きを妨げず、クッション性が良いグリップになっています。
いかがだったでしょうか?
元々の仕様から残ったのはフレームとクランク周り、サドル、ヘッドセットぐらいでした。
国内問わず海外でも満足のいくライディングが可能でしょう。
過去のドリームビルドはこちらから↓
スタッフの自己満足日誌 DREAM BUILD 2019 GIANT REIGN ( ドリームビルド ジャイアント レイン )
スタッフの自己満足日誌 DREAM BUILD 2019 CANNONDALE JEKYLL ( ドリームビルド キャノンデール ジキル )