皆様、こんにちは!!
bikeport新宿都庁前店の奈須野です。
ある日のことでした。
SCOTT スコット SUB40にお乗りのお客様がご来店になりました。
お話を伺うと、ひとまず乗れるようにして欲しい、とのご依頼でした。
実はこのようなザックリとしたオーバーホールのご依頼はしばしばあります。
ご予算の枠だけ設定していただいて、その枠内でショップ側が様々なご提案をしていく、という手法です。
今回はご予算が¥50,000-60,000くらい、なるべく雰囲気が変わらないように、というご要望でした。
まず、車体を試乗させていただいて、そもそも破損しているパーツがあるかどうか判別します。
この時点で、あまりにも破損パーツがある場合は、ご予算枠を大幅に上げるか、新車体のご案内をすることもあります。
試乗させて頂きましたところ、ホイール、ボトムブラケット、クランク、ヘッドパーツなどに致命的な破損はありませんでした。
また、サビは出ているものの、フロントチェーンリング、カセットスプロケットに歯飛びはありませんでした。
うむうむ。
大方針は決まりました。
ドライブトレインの交換は最小に留め、外装の復旧を主軸とする。
予算に余裕があるのであれば、BB分解、ヘッド分解もする、と致しました。
まず、グリップですが、激しい加水分解を起こしておりまして、ゴムがまるでスライムさんのようになっていました。
これは交換しなければならないでしょう。
なるべく雰囲気が変わらないように、というご依頼ですから、グリップはブラックのものにしておきます。
GIANTのクロスバイクにも採用されている、エルゴノミックデザインのものが良いでしょう。
画像引用 GIZA PRODUCTS
サドルの汚れ、破れがあったため、交換します。
破れているサドルは、内部に水がたまり、乗車時にその水がしみ出して、冷たっとなります。
お値段がお安く、耐久度もある、GIANT COMFORT LITE SADDLEのホワイトにします。
画像引用 GIANT
ケーブルは特にご指定が無い場合は、ブラックのものを使いますが、今回は、旧車体の雰囲気を残したい、とのことでありましたから、ホワイトのアウターケーブルを用意致しました。
ブレーキアウターケーブル、シフトアウターケーブルともに、ホワイトです。
駆動系に致命的な損傷はありませんでしたが、チェーンはサビがだいぶん進んでいるため、交換します。
ただし、ビンテージバイクをチェーン交換する場合は、チェーンリング、スプロケットとの噛み合わせがかえって悪くなり、歯飛びを起こしてしまうこともあります。
そのため、連鎖反応的にパーツ交換が必要になり、当初ご案内していた金額、納期を大幅に超えてしまう場合がありますから、オーバーホールのご依頼を受ける際はその点を注意しましょう(誰へのアドバイス!?)
今回は予算枠に余裕があるのと、仮にチェーンリング、スプロケット交換という事態になっても、代替パーツが比較的安価に揃えられる(と思われる)ため、まず、チェーン交換をすることにしました。
タイヤは損耗が激しいので新しいものに交換します。
最近は、真っ白のタイヤというものは少なくなりました。
クリーム色のものがあったため、そちらを選択します。
サイズは従前と同じ700*28C。
画像引用 CST
チューブもゴム製品で、空気に触れているだけでも劣化が進んでいきます。
古すぎるチューブは、空気圧に耐えきれず、突然、裂けてしまったり、バルブがもげてしまうこともあります。
たとえ今、穴が空いていなくても、古いチューブは交換しておくのが転ばぬ先の杖というものです。
ブレーキを見ると、まず、シューはすり減っていました。
シュー交換のみ、という内容にすることもありますが、スポーツバイクにおいて、ブレーキの感触、引き心地というのは(個人的には)ものすごく大切な性能だと考えます。
単に制動力うんぬんではなく、官能性能といいますか、心地よさ、安心感というものも大切なのです。
古いブレーキは動きも良くないですし、ここは思い切ってVブレーキ丸ごと交換と致します。
画像引用 マルイ
フロンディレイラー、リアディレイラーをクリーニングして、再び装着する、というのが基本的なオーバーホールです。
しかし!!
パーツによってはクリーニングをするコストと全交換するコストがほとんど変わらないものもあります。
本車体のフロンディレイラー、リアディレイラーはサビがかなり進んでおりまして、変速自体は可能ですが、先ほども申し上げましたように、スムースに変速のできないバイクは気持ちが悪い!!(と思います。)
ゆえに、全交換致します。
ペダルは交換致します。
回転がかなり渋くなっているのと、ペダル交換は費用対効果が高い部分といいますか、少ない投資で走行性能を上げることが可能です。
GIANT WELLGOの金属製のペダルに致します。
以上で、オーバーホールの方針は決まりました。
オーナー様に、パーツ代、工賃を含めて、¥54,010(税込)となる見込みとお伝えし、ご了承を得ました。
いよいよ、作業開始です!!
本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、bikeport新宿都庁前店の奈須野でした。
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