皆様、こんにちは!!
bikeport新宿都庁前店の奈須野です。
本記事は
の続きです。
普段であれば、日の出前にテントをたたみ、撤収するところですが、昨日の無理がたたって、完全回復とは言い難い状態にあります。
さらに、早朝から雨。
むう。
しばらくはゆっくり休もう。
結局、テントをたたんだのは午前8時過ぎでした。
道の駅が営業しておらず、ほとんど人がいない、というのも幸いしました。
さて、再び湯村温泉に向かいます。
ダウンヒル続きであるため、体力的には楽です。
ふんふん~とペダリングをしながら、フロントのギアをインナーからアウターに入れた瞬間でした!!
ガシャン、ごしょ、つつーーーーーっ
ナゾの音がして、ペダリングにまったく抵抗を感じなくなりました。
恐る恐る下を見ると。。。
がーーーーーん!!
チェーンが切れています!!
ぬおーーーーーーっ!!
これはピンチ。
本当に危険すぎるトラブルです。
チェーンがない場合、自転車を押して歩くしかありません。
しかし、車体はとんでもない重さ。
これでは徒歩よりも速度がでません。
現在は兵庫県の山奥で、日本海に出ようとしても、一日歩いて何とか到達できるか、というくらいの距離です。
どうすれば!?
しかし、この時の私はどういう訳か焦燥感が無く、淡々と千切れたチェーンを見下ろしていました。
そもそも、自転車で長距離移動をすることを日本では「ツーリング」と称することが多いですが、私の場合は、このツーリングというの表現に違和感を覚えます。
私の行程は、冒険、探検、ある人は私の自転車旅行をサバイバルに近いと評してくれましたが、そのような内容でして、困難に遭遇するほうが楽しいのです。
あらゆるピンチをチャンスに変える、そういう行程でありたい。
チェーンを手にとって分析してみると、ミッシングリンクがありません。
チェーンが切れた、といよりは、ミッシングリンクが外れた、という表現が正確です。
東京を出発する前に、チェーンが1.0%以上伸びていたことは気づいていました。
そして、やはりこの時が来たかと思いました。
昨日、無理なヒルクライムをしたので、それで一挙にチェーンの寿命が尽きてしまったに違いありません。
10分ほど付近の道路にミッシングリンクが落ちていないか探しますが、見つかるわけもありません。
とんでもなく小さいですし、ぴょーんと吹き飛んで谷底に落ちているかもしれません。
そして、付近に自転車店が無いか検索をしてみます。
すると、なんということでしょう!!
ありました!!
山奥にも関わらず、小さな集落の中に、自転車店がありました。
私はそこまで1時間ほどかけて、自転車を押しながら、進んでいきました。
自転車店に到着して、ご主人に11速用のミッシングリンクが欲しい、とお伝えすると、無いとのことでした。
次に、11速用のチェーンはありませんかとお尋ねすると、これも無い、とのことでした。
それもそうです。
都市部のスポークバイク店ならともかく、一般車を主に扱っておられるお店に、そのような無理をお願いするほうが非常識というもの。
ご主人は、ありがたいことに、あれこれとミッシングリンクを見せてくださいますが、やはりどれもシングルギア、いわゆるママチャリ用のもので、残念ながら接続できそうにありません。
私は非礼を承知で、ご主人にチェーンカッターをお借りできないか、と申し出ました。
(自転車店に限らず、プロが使用する工具はプロ向きのものであり、お店のスタッフ以外が触ることは基本的に無理なのです。ケチ、とお思いになるかもしれませんが、貴方がお仕事でお使いの道具を、見ず知らずの素人さんに無料で貸そうと思いますか、それと同じことなのです。工具を壊された時の損害はどのように追及するのか、使用方法が不適切でお客さんがケガをした、車体に不備が生じたときはどうするか等、リスクがあるばかりなので、工具を貸してくださいというご要望については、お断りするお店がほとんどです。)
私の装備が尋常ならざる量で、さらに、非常に困っている姿を不憫に思われたのか、ご主人は快くチェーンカッターを貸してくださいました。
私は、水を得た魚とばかりに、チェーンの接続に取り掛かりました。
今、手元にあるのはチェーンカッターのみ。
もはや、最後の手段を使うしかありません。
つまり、既存のピンを限界ギリギリまで押し出し、チェーンをつなぎ、ピンを押し戻す。
ミッシングリンクもコネクティングピンも使わない、最終奥義です。
このチェーンはミッシングリンクを使って接続されていたため、両端とも内リンクになっています。
しかし、ピンで接続しようとするのですから、片側の内リンクを切り落とす必要があります。
ただし!!
内リンクは切り落とすものの、ピンはギリギリで残しておかないといけません。
慎重にチェーンを接続して。。。
直りました!!
ありがたいことに、チェーンオイルまで貸してくださいました。
さらにお代をお尋ねしたところ、タダでいいよ、とのことで、大変にありがたく、お礼を申し上げました。
今回接続したチェーンは強引な応急処置で、いつ再びチェーンが千切れるか分かりません。
そこで、チェーンが横にたわむような使い方を厳禁し、フロントのシフトチェンジは封印をして、リアも丁寧に1段ずつ変速するよう致しました。
出雲大社は遙か先ですが、出発です!!
本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、bikeport新宿都庁前店の奈須野でした。