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SHIMANO XTR M9200 インストール 前作から大幅進化 bikeport横浜西口店 湘南ベイサイド 新宿都庁前店 二子玉川店

今年の6月にリリースされた新型XTRはSHIMANOが誇るMTBコンポーネントの最高峰グレードで、約7年ぶりとなるモデルチェンジとなりました。

私小林もそれまでのM9100から今回載せ替えをしたので違いやどんな方におすすめなのかご紹介したいと思います。

またクランクやチェーンリングなどは社外パーツを使っている方もいらっしゃったり、ボリュームの関係から今回は割愛します。

今回はXTRにつづきセカンドグレードの『DEORE XT』や『DEORE』、グラベルでは『GRX』もリリースされ、いずれもMTBコンポーネントのゲームチェンジャーとなりうるSHIMANOの怒涛のリリースが行われた6月となりました。

今回最大の目玉となったのは1世代空いてリリースされたDi2仕様のラインナップになったことでした。

競合のSRAMが展開するAXS(アクセス)シリーズの無線変速コンポーネントを筆頭に世界のMTBコンポーネントシェアはSRAMが多くを占めています。この7年SHIMANOは”電動変速”という意味ではMTBでは大きく出遅れるかたちとなりました。

『M9050 XTR Di2』

SHIMANOから電動のMTBコンポーネントがなかったわけではありません。ただ当時のDi2コンポーネント(M9000系)は機械式に比べ設定の手間や機械式に勝る変速の速度・性能といった意味でアドバンテージが大きくなかったため、端的に言えばウケませんでした。

MTBのシーンはロードバイク以上に変速やブレーキに求められる要素が多く、サードパーティーも豊富なので選択肢が多く自分にあったフィーリング、変速・ブレーキにたどりつくのは容易ではありません。今作は7年という長い年月を経て進化したSHIMANOの自信作でもあります。

『M9100系 XTR (Di2ラインナップはなし)』

今作は前モデル(M9100系)のコンポーネントをお使いの方にも十分にオススメできますし、しっかり違いを実感していただけますので、また別ブランドを愛用しているライダーさんにも強くオススメできるのでぜひブレーキや変速周りで、カスタマイズを検討されている方はスタッフにもご相談いただけますと幸いです。

『M9200 XTR 機械式のラインナップはなし』


シフトレバー

シフトレバーは機械式のフィーリングを彷彿させる、良い意味で電動らしくない仕様になっています。

また今作は完全な無線式へと昇華されいよいよSRAMと同じ土俵に立つことなりましたがかなり期待できる内容となっています。

デフォルトの仕様ではシフトアップ側のボタンはなんと2段階押し込めるようになっています。

SAINTや前作のXTRに採用されていた一気に2段シフトアップが可能な仕様を電動でも採用してきました。

単純に長押ししてても多段変速することも可能ですが、電動であえて2段階を押し込めるようになっているのは機械式のように直感的に操作できるのはレースの際などのシビアな変速シーンでは有用だと感じました。

手前側についているのはモード切り替えスイッチでライディングシーンなどによって、予め設定した2種類のモードを瞬時に切り替えることが可能です。私の場合は基本レースでも普段のライドでも都度設定を切り替えるということはしてこなかったので特に不要と感じてはいますが、Di2だからこそできる機能なのでいずれ使いこなしてみたいです。

『M9200シフトレバー(小林はI SPEC EVタイプ)』

『SRAM AXS シフトレバー』

変速の速度に関してはSNSなどでさまざまな情報が飛び交っていますが、小林的には『SRAMより遅くないです』

スピードに関しては、トランスミッションタイプ(Tタイプ)と比べると圧倒的に速いですが、もはや純粋にコンマ何秒といった違い追求するより、後述する変速の滑らかさ(ショックレス)がSRAMと比べても秀逸です。

肝心のシフト感については、機械式のようにワイヤーをかっちり引き込む仕様ではないので、トレイルで使ってみると案外簡単に2段階クリックしてしまうのを感じました。また長押ししても多段変速してしまうため、シフトミスが多くなってしまいました。私はこれが気持ち悪かったので、2段階クリックシフトを1クリックシフトに切り替えました。シフター裏面の切り替え用のダイアルをまわすと2段階クリックから1クリック仕様に切り替えることが可能です。

2段階シフトに慣れてしまっていて、長押しと併用でシフトミスが多くなる場合はE-TUBEで長押し時の多段変速をカットしても良いと思います。

個人的には機械式のように奥側のスイッチは2WAY仕様だと人差し指で変速も可能になるので次回実装してくれたら嬉しいなと思いました。

またXTRとXTはシフトレバー自体の4Wayの角度調整が可能です。DEOREは角度調整が不可

それぞれのスイッチの角度が調整できるので握り込む位置をシフト操作の度に握り直さなくていいよう細かく設定が可能です。

I-SPEC EV仕様とバンド仕様の2ラインナップありますので、すでにSHIMANO I-SPEC EV対応のレバーを使っている方はEVタイプ、そうでない方はバンドタイプからお選びいただけます。

個人的にはEVタイプの方が位置調整の自由度が高いのでSHIMANOブレーキを使っているのであればEVタイプがオススメです。


リアディレイラー これまで同様にSGS・GS 2ラインナップ

『M9220 リアディレイラーSGS 』

今作からSRAM同様の着脱式のバッテリーが採用されたため、ケーブルの配線を不要とし、よりシンプルかつトラブルレスとなりました。

外部からの衝撃から本体を守るセーバーモードの搭載や、プーリーは肉抜きをなくすことによって枝などの巻き込みを防止し駆動周りのトラブルを徹底的に排除しました。

変速のスピードも前作Di2モデルよりはるかに速くなり、機械式に引けを取らない変速速度従来機械式のスピードに慣れていた方でもすぐに納得いただけるはずです。

 

また前シリーズから採用された『Hypergluid+』により変速時のショックも大幅に軽減しトルクをかけた状態でもスムーズに変速してくれます。


スプロケット

前作から採用された『Hypergluid+』テクノロジーで変速時の滑らかさをさらに向上させました。

今作は多段変速機では禁断とされていたクランクを逆回転させてもガチャガチャとならないぐらいスムーズになっています。

この変速性能の滑らかさは秀逸ですので、トルクをかけたままでガシガシ変速していけるのはSHIMANOの大きなアドバンテージといえるでしょう。


ブレーキレバー

前作同様XTRグレードではM9200クロスカントリー・トレイル向けとダウンヒル・エンデューロ向けのM9220と2タイプ展開しています。

『左:M9120 右:M9220』

レバー部がカーボンかアルミかの違いだけでなく、マスターシリンダーの容量がかなり大型化しています。

これによるフルード容量も増え、エア噛みや熱による制動力低下を防止することが可能です。

『M9120取り付けイメージ』

『M9229 取り付けイメージ』

こうして見比べてみると、ホースジョイント部もかぎりなくハンドルに近い位置からの配線となり見た目もすっきりしますね。

更なる低フリクションを実現するべく、低粘土のミネラルオイルが新開発され専用フルードを採用されています。

前作のブレーキと比べても作りが大きく変わっていますね。SHIMANOのI-SPEC EVを継承していますので前作のシフターを取り付けすることも、前作のブレーキに新型のXTR Di2を取り付けることも可能ですよ。

今回ブレーキキャリパー側もピストンおよび本体の大型化とモノコック化してますが、洗礼されたデザインで所有欲を満たしてくれます。

『新旧4ポッドキャリパー形状比較 上:M9120 下:M9220』

『新旧4ポッドキャリパー形状比較 上:M9120 下:M9220』

『新旧4ポッドキャリパー形状比較 上:M9120 下:M9220』

新型の4ポッドキャリパーはピストン径も大型化とモノコック構造になりました。パッド形状も一新し更なるブレーキ性能向上と放熱性能を併せもちます。

メカニック目線では、さらにブリーディングがしやすい構造になっており気泡が入りにくい仕様になっています。

実際使ってみるとブレーキ自体のタッチのフィーリングは前作と劇的に変わっていないように感じました(良い意味で)というのはSHIMANOのタッチフィーリングをこれまで愛用していた方たちの感覚を大切にしていると思います。

リーチアジャストに関しては、今回からダイアルにノッチがあり、左右で何クリックで〜という風に覚えておけば誰でも簡単に左右のリーチ調整がしやすくなっています。

しかし制動力に関しては明らかに進化を実感できて、ダウンヒルやエンデューロシーンでワンフィンガーで圧倒的に余裕のあるコントロールが可能です。前作と同じ具合で引いてしまうと利きすぎてしまいますね。(遅くなっちゃう…)

 

GIANTアンバサダーの清水プロもダウンヒルバイクのGLORYにXTRを採用しており、今シーズンのダウンヒルシリーズのニセコ戦では機材のトラブルはあったものの優勝をしています。

ちなみに取り付けてみるとこんな感じです。シフトケーブルが一本なくなりスッキリしただけでなく、ホースがハンドルバーにそうように配置されています。小林メカの手にかかればあたかもドロッパーシートポストのケーブルもさもないかのように綺麗に配線されます。笑


誰にオススメか

デフォルトの設定では正直『ん?』と思うことはありますが、設定と調整の幅が大きいのでしっかりと設定すれば、機械式のような直感的な変速が好みの方でもオススメできます。それほど今作のXTR Di2はよくできています。特にトレイルライドなどでも頻繁に変速をかけることになりますので足への負担も軽減できますし、トレイルに入った直後の一気にシフトアップしたいという時も反応がもたつくことがありません。

競技をしている方には当然ながら強くオススメできます。変速の性能は機械式劣りません。というか変速の確実性でいえば機械式以上です。(ワイヤーのたるみなど影響が一切ないので)実際触っていただいた方が、スイッチ式という単純な電子的な感覚でないことを体感していただけるはずです。

ブレーキに関してはいずれのブランドを使っている方にもブレーキの交換を検討されている方は候補に入れて良いと思います。ブレーキの余裕は集中力を持続させます。

ブレーキに少しでもストレスを感じている方は新型のブレーキシリーズ(XTR、XTetc..)に交換をオススメします。

ダウンヒルバイクの方でもこれまでSAINTやZEEもしくはSRAMのMAVENなどのシリーズを使っていた方にも納得いただける抜群の制動力を保証します。

では逆に誰にオススメできないかというと、今作は限りなく機械式のフィーリングに近いですが、そうはいっても電子制御なことには変わりありません。機械式のようなワイヤーをダイレクトに引き操作する感覚を重要視されている方は一度試してしっかり自分のフィーリングにあうか検討してみてください。先述しましたが実際のライドでは設定次第ではミスタッチも起きてしまうぐらいスイッチはカチカチ入ってしますのでそういったことも含め選んでいただくことをオススメします。


スタッフの小林号にはXTRが搭載されていますのでぜひ店頭にてお試しくださいね。※事前にご相談ください。

 

 

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