皆様、こんにちは!!
bikeport新宿都庁前店の奈須野です。
この度、新しい試乗車を導入致しました。
店頭で、実際にご試乗していただくことが可能です。
GIANT LIV LANGMA ADVANCED 3 DISC QOMです。
フルカーボン、油圧ディスクブレーキという、現代のハイエンドロードバイクに求められる基本性能と、ロードバイクデビューしやすいお値段を高い次元で両立させた、傑作ロードバイクです。
1 ネーミングの法則
GIANTに限らず、ロードバイクのネーミングというのはややこしいです。
(1) まず、LIV リヴ というのは、GIANTが展開している女性向けモデル、ブランドの名前です。
ところで、ロードバイクでは、女性向けモデルを独自開発しているブランドは、ごく少数です。
GIANTはスポーツバイクにおいて、世界ナンバーワンのシェアを誇るメーカーで、生産規模が巨大です。
そのため、様々なモデルを開発、販売する力があります。
さらに、プロチームにも機材を提供しているため、女性向けモデルを独自に開発しています。
トップアスリート、LIVのプロチームが実際にLANGMAに乗ってレースに参戦し、彼女らの戦績、データ、声が惜しげもなく最新のLANGMAには投入されておりまして、本格志向のロードバイクをお探しの方に、ぴったりと言えましょう。
(2) 次に、LANGMAとは、Chomo Langma、チョモランマ、チベット語で大地の母に由来するモデルネームです。
チョモランマとは、いわゆるエレベレスト山のことです。
より高みに挑戦する意欲的な女性のために開発された、という意味を込めて、LANGMAというモデルネームになりました。
(3) ADVANCEDというのは、英語で進化した、前進したという意味でありますが、カーボンフレームの素材が、GIANTの自社工場によってハンドメイドされた、高品質フレームに付与されるネームです。
(とはいえ、現行のGIANT LIVの車体で、カーボンフレームを採用しているモデルは、全てADVANCEDグレード以上のカーボンを採用しているため、ほとんどのモデルにADVANCEDという冠名がついております。)
(4) 3というのは、種類を表します。
GIANT LIVでは、数字が少ないものほど上位モデルを意味します。
0というモデルがあったり、1どまりであったり、モデルイヤーによって存在する番号、存在しない番号があります。
(5) QOMというのは、Queen of Monutain 山岳女王の略のことで、レース等で設定されている山岳賞、山岳ポイントの最優秀選手に与えられる呼称です。
QOMモデルはヒルクライムを意識したモデルで、ヒルクライムで役立つ、ギア比の軽いコンポーネントが採用される傾向にあります。
2 具体的な特徴
それでは細部のご説明を致します。
(1) SHIMANO TIAGRA 4700系、油圧ディスクブレーキ対応のSTIレバーです。
かつての油圧ディスクブレーキ対応レバーは、構造がまだまだ発展途上で、レバーの頭がとても大きいものでありましたが、年々小さくなりまして、ワイヤー引きのSTIレバーと大差ないくらいまで、コンパクトになりました。
また、LANGMA ADVANCED 3 DISC QOMのSTIレバーは、ST-4725というモデルで、通常モデルよりもレバーが内側にぐぐっと倒れ込んでいる、いわゆるショートリーチモデルが採用されております。
冒頭で述べましたように、LANGMAは女性向けに開発されたモデルで、男性よりも手の小さい方が多いと思われますから、STIレバーもショートリーチのものが標準で装備されているのです。
なお、それでも大きい!!という方は、リーチアジャスト機能というものが搭載されておりますから、それを使って、さらにハンドルバーにレバーを近づけることが可能です。
スタッフにご相談ください。
(2) 油圧ディスクブレーキです。
まず、レースの世界では、油圧ディスクブレーキは、従来のキャリパーブレーキより空気抵抗が少なく、多少の重量増があったとしても良いタイムが出せる、ということが立証されております。
そのため、レースシーンで登場するのは、油圧ディスクブレーキモデルのみ、という時代になりました。
しかし、レースに参加しない方であったとしても、油圧ディスクブレーキの恩恵は大きいのです。
まず、少ない力でも安定して制動力が発揮されるため、下り坂、雨の日に大活躍します。
次に、ホイールの消耗を最小限に抑えることが可能です。
どういうことかと言いますと、従来のリムブレーキの場合は、ブレーキをかける都度、ブレーキシューが常にリムを削ります。
そのため、いかに高級ホイールといえども、いつかはリム面が削れて寿命を迎えてしまいます。
これに対して、ディスクブレーキモデルであれば、消耗するのはパッドとディスクローターです。
いずれも¥1,000台から存在するパーツで、ホイールをまるごと交換するよりも安価です。
確かに、油圧ディスクブレーキモデルは、導入コストがリムブレーキモデルよりも、¥10,000程度高いことがあります。
しかし、長い目で見ると、油圧ディスクブレーキモデルのほうが(高価なホイールを交換しなくても良いため)、ランニングコストを低く抑えることができるのです。
(3) クランクアームもTIAGRAです。
(4) フロントディレイラー、リアディレイラーもTIAGRAです。
(5) カセットスプロケットには11-34T(Tとは、Teeth 歯という意味で、ギザギザの数を指します)というロードバイクとしては巨大なスプロケットが装着されています。
フロント34/50Tと合わせて、最小ギア比1が実現します。
LANGMA ADVANCED 3 DISC QOMは車体重量8.7kgと優秀で、この軽量さとギア比1があれば、どのような山岳ステージでもらくらくクリアできるでしょう(多少の個人差があります。)
(6) フレームは当然ながら、フルカーボン。
前述しましたように、GIANTの自社工場で、熟練した職人さんがハンドメイドで作り上げています。
金属フレームと異なり、溶接のつなぎ目というものが存在しないため、実に滑らかな形状をしています。
ボトムブラケット周辺は、バイクの中でも特に力のかかる部分で、極太になっています。
特筆すべきは、単に優秀なカーボン原紙を使ってフレームを作っているだけではない、という点です。
フロントフォークをよく見ると、前方はまあるく、後方はスパッと切り立っています。
また、シートポストも同様の形状をしています。
これは、空力学上、最も理想的な形は涙滴型ながらも、前方を涙滴型にすれば、後方を切り落としてもそれほどの空気抵抗の増加は無いという、カムテール理論を採用しているからです。
ところで、カムテール Kamm Tail という名称は、ドイツの空力研究者 Wunibald Kamm ウニバルト=カムの提唱したデザインに由来しています。
カムテールを採用することで、重量増を最小限に抑えながら、空気抵抗も大幅に減少させることができるのです。
現代のロードバイクにとって、最後に残された最大の敵は、空気抵抗との戦いです。
その空気抵抗を可能な限り抑えるべく、LANGMA ADVANCED 3 DISC QOMには、随所にカムテールデザインが見受けられるのです。
(7) タイヤ、ホイールはチューブレスレディ対応です。
タイヤとチューブの摩擦抵抗が減るため、走行性能の向上に貢献します。
また、シーラントが小さな穴であれば瞬時にふさいでくれるため、パンクに強い、という特徴もあります。
(8) バーテープもGIANTモデルとは異なり、LIV専用品が使われています。
小さな柄が美しく、女性らしさを演出しています。
(9) コラムスペーサーも、廉価帯のモデルであれば円形のものが採用されておりますが、LANGMA ADVANCED 3 DISC QOMには、エアロ形状のスペーサーが採用されています。
(10) 長時間のライドでもお尻が痛くなりにくい、中央部分がカットされている新型サドルです。
3 おわりに
ロードバイクにとって最も走行性能に影響を与えるのは、フレームです。
LANGMA ADVANCED 3 DISC QOMはLANGMAシリーズで最もエントリーモデルではありますが、フレームは上位モデルと共通です。
(正確に申し上げれば、最上位モデル LANGMA ADVANCED SL 1 DISC ¥968,000(税込)のみ、カーボン原紙、製造法が更にハイグレードな、ADVANCED SLフレームを採用しています。)
優秀なフレームがあれば、あとは将来的なパーツ換装、アップグレードでなんとかなるものです。
いかがでしたか。
GIANT LIV LANGMA ADVANCED 3 DISC QOMは、初めて本格的なロードバイクに乗る、という方に必要、十分な品質、性能を備えた、ハイグレードモデルです。
ロードバイクとして非常にオーソドックス、中間的なジオメトリをしておりますから、このモデルを基準として、より軽い、速い、重い、曲がりにくいといった判断をしていただける、試乗車にピッタリなモデルと考えます。
本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、bikeport新宿都庁前店の奈須野でした。