皆様、こんにちは!!
bikeport新宿都庁前店の奈須野です。
RADAC レイダックとは、ブリジストンサイクルが1986年から1990年代後半にかけて開発、販売していた車体で、現代のロードバイクのご先祖さんです。
私も少年のころ、RADACに憧れていたものですが、なかなか子どもが買える金額ではなかったため、結局RADACには乗らず仕舞いになっておりました。
そんなある日のことでした。
RADAC レイダック に乗ったお客様がいらっしゃいました。
私は、おおっと心の中で狂喜乱舞し、車体を拝見すると、お持込いただいた車体は、すでにフラットバー化されておりました。
フラットバー化とは、ドロップハンドルをフラットバーに換装することで、街中での取り回しのしやすさ求めるカスタマイズのことです。
お話を伺うと、一度はフラットバー化したが、今回、再びドロップハンドルに戻したい、ということなのでした。
ひとくちにドロップハンドルと申しましても実はいろいろなものがございます。
まず、ハンドルの直径、クランプ径です。
基本的には、大口径のものほどレース向き、ハイパフォーマンス向き、新しい規格といえましょう。
お持込み頂いたRADACのハンドルクランプ径は25.4mm。
現代のロードバイクは31.8mmが主流ですから、ずいぶんと細いハンドルバーです。
これは、RADACが低価格だから、というよりも、RADACはいにしえのバイクで、規格が古いからというべきでしょう。
次に、ハンドルバーの幅があります。
一般的な完成車には380mm-420mmほどのハンドルバーが搭載されています。
このあたりはお使いの方の好み、肩幅、コースレイアウトなどによっても異なりまして、一概に正解があるわけではありません。
ご来店頂いた方は、女性で、細かな仕様はおまかせする、とのことでありましたから、私の判断でやや狭めの390mmと致しました。
そして、ハンドルのカタチがあります。
オンロード主体のバイクであれば、ドロップ部分が直立したモデルが好まれます。
これに対して、グラベル寄り、ツーリングバイクなどでは、フレアハンドルという、ドロップ部分が下に広がったものが好まれます。
これは、ハンドル幅が広いほうが悪路での操作性が良くなる、多少ハンドルを切ってもバイクが急激に曲がらず、のんびり直線を走り続けることの多いツーリング用途などに向いている、といった理由からです。
いくつかのカタチをお客様にご提案致しましたが、フレアハンドルは最近の流行(大昔のツーリングバイクにも採用例はありましたが)で、クラシカルな見た目が良い、とのことで、直立型のハンドルを採用致しました。
最後に、ドロップ、リーチの深さです。
ドロップとは上ハンドルと下ハンドルがどのくらい落ちているのか、ということで、レーシーなモデルほどドロップは大きい傾向にあります。
リーチとは、上ハンドルとハンドルの先端部分との距離で、リーチが深いほど前傾姿勢が強くなります。
とはいえ、今回はオーソドックスなカタチのものを選びました。
シフトレバーは今は失われてしまった伝説の技法、ロストテクノロジー(ここまで言うのは極端ですが。。。)たる、ダブルレバーです。
ダウンチューブに取り付けられたレバーを操作して変速します。
しかもフロントディレイラーには、SISが付いていません。
現生人類の方々にはなんじゃそれ、とお思いになるかもしれませんが、SISとは、シマノ インデックス システム、の略で、シフトレバーを操作するとカチカチ鳴る、あれです。
SISのおかげで、どこまで引けば、押し込めばシフトチェンジするかが分かるようになっています。
しかし、本車体には、フロントディレイラーのSISが付いていないため、無段階で変速します。
ワイヤーの引き量は経験と勘で、このくらい引くか、押し込むか、といって変速させていきます。
シフトレバーはこのままダブルレバーを維持して、ブレーキレバーのみ交換することになりました。
レバーにも様々なカタチ、材質、デザインがありますが、そこそこの性能で可能な限りお安く、というオーダーであったため、ヨシガイという渋いブランドのブレーキレバーを発注致しました。
バーテープも新しいものに致しました。
こちらは、表面がレザー調で、汚れが目立ちにくく、黒と深緑のグラデーションが美しい、GIANTのバーテープをおすすめ致しました。
ハンドルバー全体が変更になるため、ワイヤーのルーティングが大幅に変わります。
そのため、ブレーキレバー、シフトレバーは全交換となりました。
最後に、全体的なクリーニングと、ワイヤーロックの切断というご指示を頂きました。
パーツ代、交換工賃込みで、¥20,000くらい、期間は2週間くらいかかる、とお伝えして、ご了承を頂きました。
各種問屋さんに発注して、いよいよ開始です!!
本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、bikeport新宿都庁前店の奈須野でした。