皆様、こんにちは!!
bikeportスタッフの奈須野です。
本日は、クランク長を短くする、という奥深い議題について、お話致します。
クランク長をどうするか、それは一義的には結論が出ない問題です。
一般的には、身長の1/10くらいが良い、とされておりますが、ペダリングのスタイルが回転型なのか、トルク型なのか、はてはコースレイアウトによっても理想的なクランク長は異なります。
とはいえ、いかに高身長の方であったとしても、人間というものは、身長に正比例して筋力が増すわけではないため、クランク長190mmとかは重すぎて踏めないのです。
逆に、平均よりも背の低い方であったとしても、急激に筋力が下るというわけではなく、クランク長150mmとかにしてしまうと、回転は良くなりますが、テコの原理が働きにくくなるため、瞬間的な爆発力、速度が出なくなります。
このように自転車の長い歴史と経験則で、クランク長は165-175mmのあたりに集約しているのです。
しかし!!
前置きが長くなりましたが、これは一般的な成人男性について、であります。
小柄な女性については、上記のお話はそのままでは適合しません。
今回お話を頂いた方は身長150cmくらいの小柄な女性なのです。
オーナー様は、キャンプツーリングをするためにESCAPE R DROP ¥72,600(税込) をご購入頂いたお客様でした。
フロントキャリア、リアキャリアを装備して、サイドバッグ4つを搭載したバイクで全国のあちこちを巡っておられるという、凄まじい方なのです。
オーナー様の車体ではありませんが、似たカスタマイズのご依頼を受けたことがあります。
奇遇にも、この車体も女性のお客様でした。
ESCAPE R DROPは、このような無茶な(?)使い方もできる楽しいバイクですが、サイズ展開がXSまでしか存在せず、クランク長が最短で165mmなのです。
身長150cmの女性にクランク長165mmはさすがに長過ぎます。
そこで、クランク長を短くしたい、というご依頼を受けました。
ちょうど、GIANT LIV用にXXSが展開されておりまして、160mmというクランクセットがあるため、そのクランクセットに丸ごと交換することに致しました。
雨の中をしばしばツーリングなさったとのことで、チェーンにかなりの汚れが溜まっていました。
表面を軽くクリーニングしただけでは、このようにチェーン内部に砂が入り込み、ジャリジャリ音が致します。
このような状態は、常にチェーン、チェーンリング、スプロケットなどをヤスリがけしながら走っているようなものでして、パーツの寿命を著しく損ねます。
さらに、当然ながら、駆動周りの抵抗が増して、軽快に走ることが難しくなります。
ブラシを使いながら、歯を磨くようにぐりぐりとチェーンの内部をクリーニングしていきます。
新しいチェーンホイールにペダルを移植するために、ペダルを外します。
こちらが新しいチェーンホイールです。
T数は同様で、クランク長が5mm短くなっています。
チェーンガードはそのままお使いになる、とのことで、以前お使いのチェーンホイールから、新しいものに移設します。
装着完了です。
ペダルにShimano プレミアムグリスを塗布して、ペダルを装着します。
もうジャリジャリ音はしません。
全体的なチェックをしておりましたところ、リアブレーキシューが減りすぎて、リムに引っかかる状態となっておりました。
交換をオススメしましたところ、追加でブレーキシュー交換となりました。
スポークプロテクターの爪が一部破損しており、カラカラ音がなる寸前であったので、スポークプロテクターを撤去しました。
フレームの軽いキズ消しと、ガラスコーティングをかけて、終了です!!
いかがでしたか。
完成車はあくまで平均値、ボリュームゾーンに向けて開発されているに過ぎません。
それぞれの方の個性、お好みに応じて調整、変化させることで、より速く、より乗りやすく、より楽しくなるものと考えます。
bikeport新宿都庁前店では、各種カスタマイズを承っております。
本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、bikeport新宿都庁前店の奈須野でした。