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手組 カーボンディープリムホイール 準備編

皆様、こんにちは!!
Bikeportスタッフの奈須野です。


1 ある日のご依頼
お客様のR様より、
虹色で、
目立って、
速くて、
可能な限り予算を抑えたキャリパーブレーキ用リアホイールが欲しい。
というご依頼を受けました。


2 完組と手組
ホイールには、大きく分けて、完組(かんぐみ)、手組(てぐみ)の2種類があります。
完組とは、工場から出荷された状態で、すでに完成しているホイールのことです。

世に流通しているほとんどのホイールは完組で、ホイールといえば、完組のことを指すといっても過言ではありません。
長所は、工場で大量生産するため、コストを下げることが可能であること。
短所は大量生産品ゆえ、必ずしも個々人のニーズに、ドンピシャという訳ではないということです。
すなわち、本来、自転車というものは、乗り手の体格、体重、脚力、使用用途、外観に対する要望など、千差万別であり、適正なリムの硬さ、スポークの本数、スポークのテンションなども千差万別であるべきなのである!!
しかしながら、完組のホイールでは、例えば体重の軽い方であっても、必要以上にスポークの本数があったり、脚力がそれほど無いのにガチガチのホイールを使わざるを得なかったりと、ライダーとホイールの組合わせがベストとはいえないことが多々あるのです。

手組とは、上記短所を克服したホイールということになります。
ライダーの要望に合わせて、細かくカスタマイズすることが可能です。
短所は、有り体にいえば、完組ホイールに比べると、お値段が高くなることです。
しかし、無駄を削ぎ落とした、あるいは強化したホイールというのは、完組ホイールよりも性能が高い、ということもいえるわけでして、性能向上があるのであれば、お値段が高い。。。というわけではない、と申し上げておきます。

R様は今年の春からロードバイクをお始めになった方で、細かな技術的なご要望ではなく、あくまでも大方針といいますか、好みと予算枠だけをお伝え頂きました。
R様とは、普段から懇意にさせていただいているので、R様の好み、体格、走行パターンなどから推察して、ベストな選択を探っていきます。


3 虹色のスポーク
まず、最優先事項は虹色であること。
虹色パーツというのは、ままあるもので、オイルスリック、マジョーラカラーなどとも呼ばれているパーツ群です。
スポークを虹色にすれば、表面積が大きい分、目立ちますし、R様のご要望にも沿います。


Pillar Racing Spoke, PSR14シリーズを採用しました。

虹色のスポークは、一番下のものです。
ロードバイクでは一般的な太さの14番スポークで、価格はホイール一組あたり15,300円(税込)。


4 リム
次に、目立つ、ということは通常のホイールとは違う、という意味と思われまして、通常のホイールとは違うホイール、すなわち、ディープリムホイールが良いと思われます。
ディープリムホイールであれば、高級品、少数派で、かつリムハイトが高いので、とても目立ちます。
また、正面からの空気抵抗を大幅に軽減できるため、特に平地での走行が速くなります。

もっとも、ディープリムホイールは通常のホイールよりも、リムのボリュームが増えるため、重量的に不利です。
そこで、重量増を最小限に抑えるために、カーボン製のリムを採用することにします。

また、速いホイールにするためには、スポークの本数が少ない方が有利です。
空力抵抗的にも、重量的にも、スポークは少なければ少ないほど、速くなる。。。!?
がっ!!
少ないスポークのホイールは、当然ながら剛性が落ちるわけでして、柔らかすぎるホイールはペダリングのエネルギーを常に吸収してしまうため、速いホイールとは言い難くなります。
さらに、乗り手の体重、脚力、スプリント型なのかヒルクライム型なのか等の要素も関係してきます。

R様は180cmほどの長身ながらも、痩身で、体重の軽い方なので、ホイールの強度はそこまで必要ではない。
極端なスプリント型でもないため、ホイールの剛性を追求するよりも、快適性を上げた方が良い。
そこで、スポーク本数は24本とし、かつ、スポークのテンションは、ガチガチには張らないこととする。
可能な限り軽量化、空力抵抗を軽減させながら、それでいて剛性を保つために、ドライブ側(スプロケットの装着されている側)は16本、2クロス、ノンドライブ側は8本、ラジアル組とする。
以上のような方針を決めて、費用対効果の高いリムを探します。


当店でも、様々なカーボンリムを扱うことができますが、特に費用対効果の高いTNI社のものを使うことにしました。
TNIとは、テクノロジー・ニーズ・アイデアの略で、米国カリフォルニア州に拠点を置き、スモールパーツから、フレーム、ホイールまで開発、販売している会社です。

TNIのROAD 50 (TL) カーボンリムを採用しました。
リムハイトは50mmながら、フルカーボンで、515gと十分に軽量です。
価格は44,000円(税込)。


5 ハブ
次に、ハブの選択ですが、回転が良く、それでいてお値段も控えめな、リムと同じTNIブランドのものを選択しました。
TNIのハブは、ラチェット音がかなり大きいです。
CampagnoloやFULCRUMのような、チキチキチキ・・・ジャーっ!!というラチェット音がします。
R様は目立つホイールが良い、というご要望でしたから、見た目だけでなく、ラチェット音でも目立つTNIのハブがよろしいと判断しました。
TNI REVO ハブ
価格は14,300円(税込)。

今回はリアホイールのみ、ということなので、画像下のハブを使います。


6 ニップル
ニップルは軽量かつ、ねじ切り精度も良いDT SWISSのアルミニップルを採用。
練習用、ツーリング用など、とにかく頑丈に仕上げたい、ということであれば、真鍮製のニップルが良いと思います。
GIANTのTCRなどでも、標準装備されているアルミホイールのニップルは、真鍮製です。
ホイール外周部の軽量化は、速度向上につき、とくに効果的であるため、今回は軽量のアルミニップルを採用しました。


7 タイヤ
タイヤはMICHELIN POWER RAOD。

28Cをご希望で、重量は28Cながら255gと軽量です。
ケーシング密度は3×120tpiで、しなやかさと転がり抵抗の低さ、耐久性の高さを兼ね備えたオールラウンド型のタイヤです。
価格は5,720円(税込)。


パーツの発注をして、次回はいよいよ組み上げです!!

手組 カーボンディープリムホイール 組上編


本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、bikeportスタッフの奈須野でした。

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