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フルレストア① 未来に生きる旧車、世界一のCANNONDALE SUPER V ( キャノンデール スーパーV )を創り上げました! 

こんばんは!皆さま大変ご無沙汰しております。湘南ベイサイド店の福田です。

昨年の湘南店舗拡張工事から、新宿の新規出店、横浜の改装工事などの業務がひたすら立込んでしまいブログ投稿が大変疎かになってしまいました。m(_ _)m

当然ながらブログネタは満載です。相変わらず湘南ベイサイド店ではマニアックなモノばかり請け負っておりますので投稿したい記事は沢山ありますが、順を追って紹介しようと思います。

取り急ぎ本日のご紹介はこちら!

いつもの運送業者さんが謎の物体を運んできました…。この正体は…?!汗

 

鋭い方であれば、このシルエットですぐにわかるかもしれません。そう、SUPER Vです!

今回は1000㎞近く離れた遠方のお客様よりご依頼頂きました。お電話とメールでのやり取りで依頼を受け、車体を配送して頂きました。

今回はフルレストア&カスタマイズの案件。この世で最も完成度の高いSUPER Vの作成依頼をお受けしました。

まずは下ごしらえから。部品を発注する為に色々な規格を調べ上げていきます。

バラバラにしていきます。

最初に確認したかった部位はこちら。リンクのベアリングです。SUPER Vはたった二個のベアリングだけでスイングアームが稼働しております。

寸法を測り、発注。当店では主にNSKのベアリングを用いることが多いです。

競技レベルの使用ではないので、リンクのベアリング交換までは必要無いかもしれませんが、分解する機会なんて滅多にない箇所ですので施工します。

次に着手した箇所がこちら。ヘッドショックのフロントサスペンションです。

実は今回のご依頼主様がファーストオーナーではなく、その前に別のオーナーが乗っていたとのこと。

このヘッドショックはどうやら壊れて不動らしく、旧オーナーがインナーレッグに塩ビ管を巻いて沈み込まないようにしておりました…。

サス交換の案もありましたが、スーパーVのオリジナル感を残すにはやはりヘッドショック以外の選択肢はありません!

こちらを修理することになりました。

ヘッドショックをバラバラに!

「類は友を呼ぶ」のでしょうか?修理をしていたら、似たような別のSUPER Vが修理に来ました。笑

まず各部のクリーニング作業からスタート

古いグリスに侵されてしまったニードルベアリング。左の二つはクリーニング後のベアリング。

ニードルベアリングが転がる土台のプレートもクリーニング&再度グリスアップ。

土台プレートにニードルベアリングを載せて、これを4枚同時にまた中に入れなければなりません。これがなかなか大変…。汗
以後、割愛させて頂きますが、無事にヘッドショック作業は完了致しました。

次はフレーム本体へ!

フレームは年数相応のキズが多数ありました。

今回は提携先の塗装業者さんへ依頼して、オリジナルカラー&デザインで塗り直してもらいます。細かいロゴなども全て復刻させます。

【以下、塗装後の写真】

スピナジーホイールのステッカーも再度制作!

ステッカー復刻の制作はこんな感じで行われます。

スイングアーム、クリア塗装前

(厳密にはこの写真の後に幾つか修正がありましたが)

フレーム塗装はこんな感じです!日焼けによる劣化も無くなり、元の輝きを無事に取り戻しました。

さて、塗装と並行してパーツ類を色々と仕入れておりました。

上位グレードのVブレーキが現行品ではなかなか存在せず、色々と調べて辿り着いた商品が「REDEA」

レバーも併せて「RIDEA」をセレクト。削り出しのレバーでカッコイイです!

グリップは候補がとりあえず二つ。

さて、塗装から戻ってきたフレームを組みなおします!

通常のオーバーホール作業にはないBBタッピング作業がレストアメニューには含まれます。※車種、規格、状況に応じて作業の有無は異なります。

作業の途中経過で互換や相性の問題でとても多くの紆余曲折があったのですが、ひとまず完成した車体がコチラです!

グリップはERGON or CANNONDALE QUICK純正。(色々相談の上、色と実用性の観点から最終的にQUICK純正となりました。)

タイヤは太過ぎず細すぎずの1.95をセレクト。

当店では日々「MTBのタイヤをクロスバイクのように細くしたい!」という要望を受けることがありますが、あまり細すぎてもMTBの安定性や段差等をラフに走破出来るメリットを活かすことが出来ないので、当店では街乗りの場合2.0前後位を推奨しております。

あまり細すぎると「もうMTBでなくて、クロスバイクで良いのでは?」となってしまいます。

RIDEAのブレーキ。外観&性能共に良い感じです!肉抜き感も素敵です。

シートクランプも併せてRIDEAに変更

今回リアショックはダンパーが生きていたので、内部OHはやめて外観のクリーニングと調整のみで済ませました。年数が経っている場合、下手に分解しない方が良い場合もあります。

ちなみにこのリアショック、以前に別件でこれのエアサス版を修理したことがありますが、マウントが特殊で専用規格ですので、他に替えがきかないんですよね…。

エア漏れの場合、どうにもならない場合がありますが今回はコイルショックですので、先々ダンパーが壊れても街乗りレベルでプリロード設定次第で何とか乗れそうです。

リアディレイラーやドライブトレインは新しいXTに。トレッキングのタイプにしました。

上記XTを選定した理由は、フロントがトリプルだからです。

近年、お店の推奨としてはフロントシングル(ナローワイド)なのですが、今回のオーナー様はオリジナル同様の設定、つまりフロントトリプルに拘りたいとのことでした。

トリプルクランクも前述のVブレーキ同様、現行品ハイエンドなグレードがなかなか存在しない為に、こちらのクランクセットはお持込みで手配して頂きました。

ペダルはCANNONDALEから発売されておりますアーバン向けのモノをセレクト。性能も悪くなく、斬新なデザインで当店では人気があります。

RIDEAレバー。こちらもまた外観・性能・使い勝手共に◎です。

ステムはキャノンデール純正。ヘッドショックサイズを手配。

先々のキズにも対応できるように、塗装業者さんにタッチアップ用の塗料も別で手配頂きました。

ケージのネジはブラックアルマイトの物に交換。

先々ヘッドショックが故障して、通常のサスペンションを入れる為のヘッドパーツも別途ご注文頂きました。

サドル・シートポスト

ヘッドショックの場合はトップキャップが存在しないので、最近のCANNONDALE1.5ステム用のキャップを加工して作ってみました。

当時絶大な人気を誇ったスピナジーホイール。今回依頼を頂いたスピナジーは状態良好でした。近年では状態が良いものはなかなか出てきません。

ステッカーも新品となり、見違えるように綺麗になりました。

さり気無くQRもRIDEAで統一

大昔からMTBに乗られている方であればご存知だと思いますが、昔のXTRなどのグレードは黒のテフロンコーティングワイヤーが採用されておりました。

現在シマノからは「オプティスリック」「ポリマーコート」の二種類しか販売が無く、少しでもそれを再現したく、社外の黒コーティングワイヤーを探して取付致しました。

ワイヤーの一本まで、可能な限り細かい箇所も煮詰めていきます。

ブレーキルーティングも色々と考えながら配線していきます。余計にアウターケーブルが暴れないよう多少細工を施したりもします。

コラムスペーサーも1.5用の物の内径を削って取り付けてみました。(本来ヘッドショック用のコラムスペーサーは存在しません。)

「結構アップライトなポジション」との指定でしたので、ハンドルはジャンプバイク用の3インチ相当のライズがある物に交換。不思議とあまり違和感がありません!

過去、様々なオールドキャノンデールを手がけましたが、今回はずば抜けて凄いレストアを請け負らせて頂きました。

古いバイクのはずなのに、この近未来感は何でしょうか?

めちゃくちゃカッコイイ最高仕上げのSUPER VならぬハイパーVがここに完成致しました!

H様、この度は御用命ありがとう御座いました。ブログ紹介が遅くなり恐縮です。

また次期プロジェクトが決まりましたら、是非当店をご利用下さいませ。笑

 

 

オマケ記事

同時期に別件でリンクのシャフトが折れたSUPER Vの修理依頼がありましたので、併せて紹介致します。

当初「リンクが外れない!」という問い合わせを受け、診断させて頂きました。

工具で分解しようにも、シャフトが回転するだけで外れる気配のないこちらのリンクは、繋ぎのネジが折れてしまっている&ベアリングと錆で固着(ベアリングはもちろん圧入で内側から外すことは不可)のどうにも作業が進まない八方塞がりの状況でした。

ドリル等で慎重に破壊すること数時間、上記の写真のように摘出することができました。 そして今回、提携している金属加工工場と共同で代わりとなるシャフトを制作させて頂きました。

before 折れて固着したシャフト

FTER 制作したシャフト

before 折れたネジが埋まっています。

after 固定方式も少し変えました。

取付はこんな感じに!寸法もバッチリでした。動きも良好。

裏側はこんな感じに。

どうしても手に入らない必要なパーツはワンオフで部品製作をすることも可能です。

もしビンテージの特殊規格、専用規格などでお困りでしたら、ぜひお問い合わせ下さいませ!

 

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