従来はパワーメーターは高価でプロが使うものと思われていましたが、ホビーレーサーや週末ライダー、最近では完成車にもパッケージとして採用されるようになりました。
そもそもパワーメーターは導入することによって何が得られるのか?そしてそれに見合った価値はあるのか?
今回は、当店御利用のお客様の車体に導入致しましたのでそれも含めご説明していきます。
まず始めにパワーメーターを導入すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ペダリング時のパワーをひずみセンサーが、クランクのひずみ量を独自のシステムを用いて数値化(ワット換算)している物をパワーメーターと呼びます。
ひずみが大きければ(金属でも目に見えないだけで伸びています。)パワーが強いということになります。
自分がどれだけのパワー(出力)が出るのかが、わかれば効率の良いトレーニングや体調管理がしやすくなります。
さらにはレースの展開すらも左右してしまうこともあるのです。
例えば、自分の最大出力がある程度の距離を走った状態でどれだけ維持することができるのか、事前のトレーニングで分かっていたとします。
実際のレースで逃げやゴールスプリントといった、加速していくシーンにおいて自分の最大出力や持続力が分かっていればどのタイミングで仕掛けるのがベストなのか、いつもと同じペースを維持しようとしているにもかかわらず、心拍やパワーに乱れがあるなら今日は調子が悪いな、逃げるのはやめてグループ内で様子をみよう。というように体調すらもデータで可視化することができるのでレースの展開も左右してしまいます。
最近では引退した元トレックのコンタードール選手がパワーメーターをレースで用いることを反対をしていました。
データだよりの駆け引きのレースになると面白くないと唱えるライダーもいるようです。
平均的に相場は10万円~がパワーセンサー導入の目安となりますが、他のパーツと違いデータを分析し自分自身(エンジン)の改善に繋げれられるのはこのパーツだけになります。数十万円で軽さや剛性を求めていた人たちも、いよいよ自分自身の走りを見つめなおす時が来たのです。
今やパワーメーターというと【パイオニア】が一番真っ先に出てくるのかなと個人的には感じます。
(※残念ながら当店では取り扱いがありません。)
実際は私も使用していましたが、コンピュータとセンサー、【シクロスフィア】データ解析サービスまで全て自社で開発し提供しているので、初めての人でも安心して始められるキットだと思います。
海外では老舗のSRMを始め、最近ではバイクメーカー独自のパワーメーターも続々と登場しているので選ぶのも一苦労しそうですが、ポイントは今自分が使っている解析ソフトで自分の走りがしっかり把握することができるのかということです。
パワーセンサーからコンピュータ、スマートフォンまではANT+、Bluetooth、もしくはメーカー独自の電波帯となります。
またコンピュータでの測定から解析サービスまでのデータの移行は、コンピュータのブランドに依存します。
ですのでパイオニアのパワーメーターを使っていても、ガーミンのコンピュータでデータを採取すれば、【ガーミンコネクト】で解析るすることになります。
また僕が知る限りシクロスフィアやガーミンコネクトと言ったメーカ独自の解析ソフトは【Strava】と連携同期することができるので、普段からStravaにデータをアップしている人でもどのメーカーのコンピュータを使っても共有することが可能です。
メーカーそれぞれデータ分析表示の仕方が異なりますので、ペダリング解析という点関しては非常にシクロスフィアは優秀なのかなと思います。調べてみると一般的なサイクルコンピュータの【TCX形式、FIT形式】のデータもシクロスフィアにもアップは可能なようです。
それぞれのメーカーが独自の解析ソフトをご用意しているので、ご購入いただいたパワーメーター、サイクルコンピュータとの相性や、解析できるデータの内容を比較し、自分に合ったソフトを選んで使用してみるのも良いかもしれません。
ともあれ2013年頃から一般ライダーの方たちにも広まったパワーメーターですが、今回は我らが【SHIMANO】が販売しているFC-R9100-Pをお客様の車体へインストールを行いました。
FC-R9100-P本体
シマノ FC-R9100-P
歯数構成:50×34T、52×36T、53×39T
クランク長:170、172.5、175mm(ギア付)
165、167.5、170、172.5、175、177.5、180mm(ギア無)
アクスル径:24mm(シマノホローテックⅡ)
PCD:110mm
無線規格:ANT+、Bluetooth LE
重量:679g(170mm、50×34T)、691g(170mm、53×39T)
価格:143,662円(税抜、ギア付)、127,398円(税抜、ギア無)
※予告なく金額の変更があります。
左クランクアーム裏側 センサー
左クランクのキャップ付近からはセンサーケーブルが伸び、スピンドル内のバッテリー端子に接続される
左右クランクからはパワーメーター無い状態とほぼ同じ外観
クランクアームの長さは、事前に試してもらったもので最適な長さを確認しました。
さらにチェーンリングも従来通り問題なく交換も可能です。
クランクは気温や負荷のかかり方によって測定データの精度が数%変わってきてしまいます。
測定に精度を求めるのであれば2~3回に一回、長距離を走りに行く前にはセンサーの校正をかけることで、より正確なデータを採取することができます。
ご利用のサイクルコンピュータはガーミンの1030でしたが項目とセンサー設定のみで簡単に表示ができました。
パワーの測定項目等の表示内容はコンピュータ側に依存しますので、リアルタイムで確認できる内容をこだわるのであればコンピュータ側のスペックを要確認する必要があります。
しかしながら走りながらコンピュータから分かる情報もいくつかありますが、データ解析ソフトにかけてみてみると、一日を通じての走り方が数値やグラフで確認することができ、ペダリングの改善点や、どういったときにペダリングが乱れやすいのかと考察することができます。
従来は心拍とケイデンスのみで一般ライダーはおおよそのデータをもとに走り方を考察するしかありませんでしたが、エンジンの出力(計算項目)が加わることにより、より正確なデータをもとに効率良く走りを改善できるようになりました。
最近ではホビーライダーの中でも走行データを公開、シェアしている人も多くいますので、その人たちがどのようなグラフになっているのか比較してみるのも面白いかもしれません。今回はグラフの見方などはあげませんでしたが、ペダリングが上手い、もしくは速いレーサーがどのようなグラフになっているかも見れば一目瞭然です。
日々のデータもデータ解析ソフトに蓄積していきますので数ヶ月後数年後比較してみるのもいいですね。
我々ホビーライダーは限られた時間の中で自転車に乗り練習をしなければなりません。
効率良く走る事は、速く快適に走ることに繋がります。
表彰台を目指すレーサーだけでなく、週末ロングライダーズまでオススメですので、ぜひ店頭のスタッフまでご相談下さい。
U様いつもご利用ありがとうございます。