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ネオクラシックMTBをレストアしてみる。究極のポルシェバイク レストア案件

「ポルシェに詳しくない僕でも、古い911は家が買えるくらい高額で取引される車種だと知っています。」

クルマなどがまさにそうですが、愛好者からすれば、現行モデルより過去のモデルの方が人気が高いケースって多々ありますよね。

技術というものは日々進歩しており、どんな製品であっても年々改良されています。これは世の中の全ての物において同じことが言えます。

しかしながら何故、一部の市場では高性能な製品よりも古い製品の方に価値が付く現象が起こるのでしょうか。また、その魅力の正体とは何でしょうか―。

 

比喩すならば現代のMTBがまさにそれに当てはまるのではないかと思っています。

現行のMTBは凄く高性能です。巡行性能、走破性、制動性、重量、全てにおいて著しい進化を遂げました。

しかしながら、それゆえに一部の小さいメーカーを除き、大手メーカー品は似通ったものとなってしまいました。

MTB黎明期には特徴的なプロダクツが沢山存在しましたが、現代の自動車が似たようなカタチばかりになってしまった構図と同様に、性能を求めた結果、MTBも「高性能のカタチ」に辿り着いてしまったのです。

試行錯誤が繰り返された時代に生まれた製品だからこそ、独特の雰囲気や特徴、面白みがあって、最新の製品とはまた違う魅せ方があり、その歴史過程に価値が付いているのではないでしょうか。

今回はそんな時代に登場したMTBのお話です。

今回、依頼されたバイクはこちらです。とても珍しいポルシェ製のMTBです。

  

マグラの油圧キャリパーが標準装備されています。ポルシェもマグラもドイツブランド同士

    

僕はスポーツバイクに興味を持ち始めた二十数年前、当時の自転車雑誌でよく見かけたのよく覚えてます。

年式で言うならば、1996~1998年頃でしょうか。ビンテージと現行のちょうど中間くらい。クルマ用語ですと、ネオクラシック世代と言われる世代です。

当店、湘南ベイサイド店の3軒隣のご近所さんには「ポルシェセンター湘南」があり、5~6年くらい前までは現行のポルシェ製MTBがよく展示されてました。

稀にその展示用のMTBをクルマと一緒に購入されるお客様が居るらしく、MTBが売れた際はよくポルシェセンターの販売員さんが当店に納車整備依頼に来てくれていました。笑

近年のポルシェMTBもなかなか豪勢な仕様で素敵でしたが、やはり僕の中でのポルシェMTBと言えば、今回入庫したこのモデルが一番印象深いです。

早速ですが、分解作業をはじめます。今回はレストア&カスタマイズ作業です。

レストアとは「元に戻す」と言うのが本来の意味ですので、カスタマイズ要素の方が強いのかもしれませんが、オーナー様と色々お話させて頂き、

このポルシェバイクのオリジナリティーを活かしつつも、高性能かつカッコよく構成することになりました。

そして今回も大変ありがたいことに『おまかせ作業』でしたので、ベストを尽くすべく、いつも以上に気合が入ります!

コーディネートのセンスが問われるので、部品構成も入念に考えます。

世界一カッコいいポルシェバイクを目指して制作していきます。

  

フォーク周りは完全に独自規格です。

幸いにもフォークの動作は問題無さそうでしたので、クリーニングのみで大丈夫そうです。

コンパウンドで磨いていきます。

判りづらいかもしれませんが写真右のフォーク、左右で磨き前(左レッグ)、磨き後(右レッグ)です。

フレームだけの状態になりました。

年式の古いバイクですと部品同士の固着等もあるので、フレームだけにするのも一苦労する場合があります。

このロゴを見て、思い浮びました。今回、パーツ構成の配色は「赤、金、黒」の三色に決めました。

まずはホイールから作成します。セレクトしたハブはFIREEYE。色々なエンド規格に対応でき、カラーが豊富なところが良いですよね。

リア135幅、フロント100幅、前後QR仕様で色が選べるハブって今の時代と意外少ないんですよね。

様々なメーカーの部品で構成していくので、アルマイト濃さなどの色味を確認しながら構成していきます。

スポークカットし、ホイール組みが完了。今回、一番苦戦したのは「リム選び」でした。

近年、MTBは27.5もしくは29ばかりですので、26用のリムは各社ラインナップがかなり少ないです。

ダートジャンプやトライアルなどは現在でも26インチを採用しているため、現行でも26を入手することは可能です。

しかしながら「リムブレーキ対応の26」ともなれば、かなり入手困難となってしまいます。

安価な補修用リムであれば簡単に手に入りますが、今回のポルシェバイクのプロジェクトでは「スポーティーさ」と「高級感」を表現したかったので、ブレーキ面までブラックな物を探し続けました。

結果、ストリートトライアルブランドの「INSPIRED」の26リムを採用することに。

欲言えば、白のINSPIREDロゴも無い方が良かったですが、艶有ブラックの物が入手できたので、ひとまずは良しとします。

今回、「多少の未舗装路も走れるように」とのご要望でしたので、26インチのグラベルキングをセレクト。

スキンサイドで手配しましたが、、、

いざ組付けてみると、ちょっとイメージと違いました…。再度取り寄せします…!

一旦タイヤを剝がします。やはり黒リムがカッコいいですね。ポルシェの名にふさわしい高級感が出てきました。

   

ブレーキはリデア製の高級&高性能Vブレーキを採用しました。キャリパーのピボット部にベアリングが内蔵されており、動きがとてもスムーズです。

アウターケーブルも通常のブラックではなく、輝くようなシルバーのカラーケーブルに変更。更にアウターキャップにもこだわってみます。

 

Vブレーキ台座を流用して、フロントブレーキのみディスク仕様にする案もありましたが、性能面が不十分だったため、こちらは却下。

色々と構成を考えながら試行錯誤していきます。

    

サドル周りはこんな感じにしました。

あれこれ全部に良いパーツを入れてしまっては逆に品が落ちてしまい、本当に良いパーツが引き立たなくなってしまいますので、シートポストはあえてノーマルのブランド無しのポストにしました。

シートクランプもDABOMB製ですが、妙にこれは高級感が出てますね。

サドルも選定に悩みましたが、結局リッチー製にしました。色はブラウン。

これは自分の勝手なイメージですが、高級スポーツカーの内装はブラウンの印象でしたので、それを表現すべくサドルだけブラウンにしてみました。

ハンドル周りはこんな感じです。フォークのインナーレッグにダイレクトでクランプする方式が斬新で、素敵です。

グリップはODI、デザインは外観を崩さない大人しいシンプルなブラック&シルバーリング。

そしてブレーキレバーはブレーキと同じRIDEA製。削り出しのレバーでとてもカッコいいですね。

前述したシルバーのアウターケーブルも特別感があってとても素敵です。

エンドバーを取り付けましたが、秘密が隠されています。

実はコレ、サイドミラーに変身するのです!

オーナー様よりバックミラーの要望がありましたので、外観を崩さないようなスタイリッシュな物を探した結果、トピーク製の商品に辿り着きました。

ドライブトレインはDEOREの10Sで構成。

もちろんながらDEOREよりも上のグレードで構成するプランもありましたが、用途などを考えればこれ以上のグレードは必要ありません。

無理にXTRなどのグレードにする必要はありません。

プーリーはドレスアップの為にKCNCのゴールドアルマイトの物へ変更しました。

クランク周りはこんな感じに。FORMOSAクランク&リングをセットアップ。シルバーとブラックの組み合わせが良いですね。

また、ペダルは街乗りを意識したスマートボディな物に。赤アルマイトの削り出しで作られた質感の高い物を採用しました。

ボトルケージもちょっと変わった形状のオシャレな物を採用。正確な価格は失念しましたが、2,000円前後だったかと思います。

特段高価なパーツでなくても洒落た物は沢山あります。良く魅せるか悪く魅せてしまうかは、コーディネート次第です。

 

BEFORE

AFTER

いかがでしたか?ポルシェ復活プロジェクトはこれでおしまいです。

入庫時と比較すると、かなり近代的なルックスに生まれ変わりました。飾って置くだけでも楽しめそうなバイクです。

もちろん走行性能も格段に向上しております。

S木様、この度はご用命ありがとうございました。是非この『高級車』でサイクリングをお楽しみ頂ければ幸いです!

 

投稿者 福田

 

 

 

 

 

 

 

 

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