皆さんこんにちは!
bikeport横浜西口店スタッフ鈴木です。
今回は手組みホイールのご依頼を受けましたので、手組みホイールが出来るまでの様子をまとめてみました。
ある日一通のメールが届きました。
内容としましては、ホイールを組んで欲しいという旨のものでした。
ホイールを組むって一言で言ってもかなり工程は多くなります。
まず自分の乗りたい自転車のサイズに合わせた車輪径を調べて、ブレーキの規格や自分が良しとする
性能や重量、ハブやリムと言ったパーツを決めなければなりません。
今回お客様はここまでご自身で決めた状態で当店にご依頼頂きました。
まずはお客様にお持ち込み頂いたパーツの確認からさせていただきます。
リムはSUN RINGEというメーカーのTR27という29インチ用のもので、調べてみたところトレイル用のリムのようです。
ハブはSHIMANO DEORE XTの32H HGフリーボディで11Sまで対応、135mmのQRのハブです。
仕様やホール数、乗る目的に相違がないことを確認させていただいてパーツをお預かりします。
ここからの工程としては、まずどの様な組み方がお客様のライディングスタイルや車体の仕様に最適なのかという事を
お客様とのヒアリングの中で導き出していきます。
今回はマウンテンバイク用のホイールを組むと言う事でしたがそれだけでは良いホイールは組む事が出来ないのです。
例えばどんな乗り方やスタイルなのか、フレームのブレーキの規格等にもよって最適な組み方が変わります。
今回のヒアリングでお客様はマウンテンバイクでふじてんや、富士見パノラマの mtb専用コースを走って楽しみたいとの事でしたので
高負荷に耐えうる組み方にする必要が有ります。
スポークの編み方の基本としては、縦に強いラジアル組み、4本組み。標準的な6本組み、横に強い8本組み、
そしてJIS組み、イタリアン組み、逆イタリアン組みが一般的とされています。
今回は強度が高く、リアディスクブレーキホイールに適したJISの3クロス6本組で組む事にしました。
クロス数を増やす事で横剛性が高くなりますのでカーブで車輪に負荷がかかる様なコースで走る場合でも安定して走ることが出来ます。
この様にリムとハブの実寸を元にスポーク長を計算します。当店ではDTswissのサイトを用いて最適なスポークの長さを導き出しました。
いよいよスポークカッターを使って適切な長さにスポークをカットして行きます。
スポークカッターと聞くとコチラのようなペンチタイプのものを想像される方もいるかと思いますが当店ではKOWA製作所さんが作っている
コチラ ↓ のスポークカッターを使用しています。
興和製作所は精度が良い工業製品やパーツを作っているメーカーさんで、コチラのスポークカッターも制度が高いことで
知られています。
このスポークカッターはお値段が数十万円することもあり、これだけしっかりとしたスポークカッターを持っているショップさんは
限られますが当店ではスポーク修理や今回のような手組みホイールのご依頼を積極的に承っており、より効率的に
精度良くスポーク関連作業ができるように数年前にコチラのスポークカッターを導入しました。
まずは適切な長さをコチラのメモリに合わせて設定して必要な数スポークをカットしていきます。
実はスポークをカットするだけでなく、ねじ切りまでこの一台で効率よく出来ちゃいます。
ねじ切りまで終わったらいよいよホイールを組んでいく作業に入っていきます。
仮組みが完了しました。
コチラがJIS組のスリークロスで組んだホイールです。
さて、ここからはホイールの精度を出す上でかなり重要な振れ取りとスポークのテンションを上げていく作業です。
ここでしっかりと精度を出すことで走り心地をよくし、全部のスポークのテンション均一にを上げていくことでより折れにくく
スポークが緩みにくいホイールに仕上がります。
振れ取りの手順としては横フレれと縦フレを交互に取っていくのが一般的ですが、私はこの作業は得意で横と縦同時に振れ取り
することが出来ますのでかなりスピーディーに作業を終わらせることが出来ました。
仕上がりはこんな感じです!!
今回はお客様のご要望でゴールドのニップルを使用して組ませていただきました!
このような色遊びの仕方は手組みホイールならではの魅力ですね!
今回はリムとハブはお持ち込みのためスポーク、ニップル、組工賃含めて¥17,360で作業いたしました。
通常パーツをお取り寄せすると1種間~10日かかるのですが、スポーク・ニップル共に店頭に在庫があったので
パーツお預かりから、お見積りも含め5日間程度で組み上げる事(作業日数は半日)が出来てお客様には「早かったですね!」と大変お喜びいただけました!
スポーク関連作業としては、折れてしまったスポークの交換はもちろん車体の印象を変えたい方や
ホイールで自由に色遊びしたい方にはオススメのカスタマイズなので興味ありましたらご相談いただければと思います。
ここまで最後までお読み頂き有難う御座います!
下の方にホイール関連作業の記事を載せておきますので、興味がある方は是非そちらも御覧くださいませ。
過去の作例はこちら↓
2021年版 MTBホイール組オススメ!! マウンテンバイクホイール Boost QR 141mm MTB WHEEL 手組ホイールならbikeportにお任せ!!
新宿都庁前店 / 君は、スーパーママチャリを見たことがあるか!? / ママチャリ スーパーカスタム その4 ホイール組み上げ編