都会の情景を想い描くと、きっと「ミニベロ」という存在にあなたは気づくでしょう。
その中でも一線を画す存在、それがAMICAだとやがて気付く時、あなたはBIKEPORTに辿り着くのです。
今回は紳士的なお客様より、「愛する人への贈り物が欲しい」という依頼を受けました。
そして紳士はこう付け加えました。
「この世で最も美しく輝きのある唯一無二のAMICAが欲しい」と―。
店員「じゃあアルマイトパーツで良いっすね。」
GIANT LIV AMICA ¥49,000(税別)
紳士のお客様もプレゼントを受け取る素敵な女性のお客様も普段はロードやMTBを乗られるお客様。
ノーマルの状態で納品されることは許されません。それは紳士に対しての裏切りと同じと言えます。
しかしながら、納品2日前に様々な荒唐無稽な要望が届き、カスタマイズに対する使命感に囚われるのでした。
まず、「スカートで乗るのでチェーンカバーが欲しい」との要望。この言葉を聞いた途端、私は凍り付きました。そして自身への激しい葛藤が始まりました。
自転車店に従事する者にとってそれが何を意味するのか。
外装変速機に対してチェーンカバーを付けると、どれだけダサくなってしまうかは容易に判るはず。
美しさと対極する実用性、このジレンマにどう対処すべきか…。いや違う、
紳士はこの店の実力を試しているのだと気づいた時、今まで考えていたことが全て無駄だったと知り、私は震えが止まらなくなりました。
そして多くの年月を費やすかと思いましたが、30分で作成しました。AMICA専用チェーンカバー。BADBOY用のチェーンカバーを切削工具で作成。
ベースとなるパーツは一個しかないので、失敗は許されません。(円形にプラ切る凄くの難しい…。)
しかし、紳士の要望は止まりません。
チェーンカバーというのは保安部品の一部でしかなく、これをカスタマイズと申し上げれば、それは紳士への侮辱を意味します。
そして浮上した次なるカスタマイズはスポークの色の変更でした。
通常はMTBなどに使用するFIREEYEのスポークを用いて施工することに。
当初は全張替の案もありましたが、「バラ園にある沢山のバラよりも、高原に咲く数本のバラの方が美しい」と指摘を受け、前後輪共に2本のバラを添えました。
このワンポイントの輝きも欠かせません。アルマイトニップル。
華美になり過ぎず、しかしながらさり気無く飾る。御淑やかな日本の和の心得を忘れてはいけません。
スーパーマンのように目立つヒーローよりも「名を語る程の者では御座らぬ」という、隠れた存在こそが美的だと意識する民族が日本人であり、
またそれが守るべき日本の伝統だと、紳士に教わりました。きっと紳士はこの車輪にそれを表現したかったのでしょう―。
「少しは車体の説明しろよ!」と聞こえてきそうですが、あえて多くを語らず、数枚の写真のみで画面越しから訴えるスタイル。それがBIKEPORT湘南ベイサイド店の流儀なのです。
詳しいことはLIV公式ページでご確認下さいませ。https://www.liv-cycling.jp/liv21/
A海さん、誕生日おめでとう!良き街乗りライフを!