こんばんは。バイクポート湘南ベイサイド店です!
今日はカスタマイズ作業のご紹介です。今回は稀にご依頼頂く『インチアップ化』について投稿しようかと思います。
そもそも「規定の車輪径から変更することなんて可能なの?!」と思われる方も多々いらっしゃると存じますので、少し補足説明を。
まずロードバイクやクロスバイクなどの700C設計のフレームは原則サイズを変更することは出来ません。フレームやフォークのクリアランスの問題もそうですが、最大の課題はブレーキの位置関係です。近年ではディスクブレーキの700Cバイクが多く出回っておりますが、市場への流通数としてはキャリパータイプが圧倒的に多いのが事実。このキャリパータイプというのは、リムの位置関係に基いてブレーキ台座が本体側に設置されておりますので、車輪径を変更出来たとしても、ブレーキが使えない状況となってしまいます。
しかしながら、MTBは違います。MTBはディスクブレーキの機構を90年代後半より採用し、これにより従来の「リム外周に対してのブレーキ台座位置」から解放されました。そして「車輪中心部のハブ側で制動を行う」ことによりリム外周部と制動の関係が無くなり、MTBは自由にインチを変更することが可能となりました。
もちろんながら自由と変更出来ると言っても、クリアランスやBBハイトなどの関係がありますので、極端に大きく小さくすることは出来ません。しかしながらディスクブレーキの台頭により様々なカスタマイズが可能となりました。代表的な例を挙げるとCANNONDALE社から発売されている「BADBOY」シリーズは、初代は26インチフレームに700Cタイヤを履かせたものでした。この26フレーム×700Cホイールという組み合わせは2000年代前半頃の街乗りMTBカスタムとしても定番でして、後にこれが既製品となり、現在のクロスバイクへと進化を遂げます。
昔はクロスバイクという商品は多く存在しておらず、街乗りならMTBにスリックタイヤもしくは700Cへコンバージョンというのが主流でした。
また、インチアップだけではなく「インチダウン」ということも可能となりました。2000年代半ばくらいでしょうか、ダウンヒルバイクではモトクロッサーのようにリアホイールを小さくして、かつその分厚くエアボリュームの高いタイヤを履かせるカスタマイズが流行しました。パンクのしづらさやキャスター角を寝かせる、取り回しを良くするなど様々なメリットがあり、理に適っていたと個人的には思っていたのですが、UCIレース規定で「異径ホイールの禁止」のルール改定が施行されてから、このカスタマイズは激減してしましました。
今現在では、グラベルロードを700C→650B(27.5インチ)化、29インチを27.5+化するなどのインチダウンをすることがあります。また各メーカーもそれを見越して広めのクリアランスなどで設計を行っているケースが多く見受けられます。
いつものごとく前置きが長くなってしまいましたが、今回はこちらの車体。今は無きメーカー「クライン」のインチアップ化をさせて頂きました。
昔のモデルで元々が26インチでした。ちなみに26インチ=559mm 27.5インチ=584mmでして外周部の差は25mmと、ひと回り大きいだけなのです。片側辺り12.5mmで、12.5mmはビー玉一個くらいの寸法ですね。
見ての通りなのですが、今回はめっちゃ華美なデザインのホイールをオーダー頂きました!!
パープルのハブ&リムにピンクスポーク!内心「これは、、、派手過ぎるのでは」と感じてましたが、予想を遥かに上回る派手さ!笑
目立ち度が高いですね!配色も結構カッコイイです。
ハブ、リム、スポーク全てFIREEYEブランドで統一出来ました。高性能な割に比較的リーズナブルな価格、かつカラーバリエーションも豊富な同社製品。
ローターはFIREEYEブランドから購入できないので、XONブランドで。パープルアルマイトの色味はバッチリなマッチングです。
更にバルブキャップもコーディネート。こちらはSUPACUZブランドより発売されております。
更にアウターケーブルもスポークと同色のピンクに!オリジナリティーの溢れる一台へと仕上がりました。
I藤さま、パーツ入荷、大変大変お待たせ致しました。時期カスタマイズお待ちしております。笑
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