皆様、こんにちは!!
bikeport新宿都庁前店の奈須野です。
ある日のことでした。
当店のイベントにもしばしばご参加くださる、K様(女性)がご来店になり、ボトムブラケットの動きが渋いので、見てほしい、その他、交換が必要なものがあれば交換してもらって構わない、というお話を受けました。
ボトムブラケットの分解、清掃は可能であるが、実はボトムブラケットは一部の超高級品を除いて、パーツ代が¥2,000くらいで、クリーニングするためにBB分解をするくらいであれば、工賃も大差ないので、いっそのこと新品にしてしまった方が良い、とご提案をしましたところ、K様からご了承を得ました。
(これは、ESCAPEシリーズがコストパフォーマンス追求型の車体で、十分に安価な(低品質ではありません)シールドベアリングBBを採用しているがゆえの選択で、高級車、ビンテージバイクであれば、分解、清掃の方がコストを抑えることも多々あります。)
一度全てバラバラにしてクリーニング、損耗部品を見極める。。。というオーバーホールではなく、必要な部分のみ交換、というご依頼内容でした。
お預かりをして、試乗チェックをしてみますと、まず、変速に支障が出ています。
このあたりの調整、あるいは交換は必須のようです。
ブレーキやタイヤといった消耗品の状態はまだまだ使える段階でした。
お店に戻って、詳しくチェックします。
まず、チェーンの伸びです。
米パークツール社のチェーンチェッカーを使います。
チェーンの上から、すぽっとはめてゲージを移動させます。
むむむ。
最大の1.0%以上の伸びがありました。
自転車屋さんは、しばしば「チェーンが伸びる」と言いますが、これは決してチェーンのプレート部分が引っ張られてびよーんと伸びているのではなく、結果としてチェーンの長さが長くなっている、ということなのです。
つまり、チェーンには、100以上のリンク、結合部がありまして、そのリンクをつなぎ合わせているピンが、チェーンが動く、しなるたびにすこしずつ細くなっていきます。
そうなることで、リンクとリンクの間隔がほんの少しずつ長くなりまして、チェーン全体で数ミリといったレベルで長さがながくなってしまうのです。
以下は概念図です。
(壊滅的に下手な絵で恐縮でございます。)
チェーンの交換は必須と思われます。
次に、チェーンホイールです。
拝見すると、チェーンホイールの歯がやせて、トンガリになっています!!
通常、チェーンホイールは台形をしておりますが、そのカドの部分が削れてしまったのです。
しかも、ペダリングで一番力のかかる箇所(下死点のすこし手前)の歯が明確に削れております。
さらに詳しく拝見すると、アウターとインナーの歯の損耗が激しいです。
推察するに、オーナー様は高速走行をするか、力を入れてヒルクライムをするか、どちらかのパターンが多いように思われます。
さて、チェーンホイールは、前ギアのこと全体を指す言葉でして、ギアの歯のみ、つまりチェーンリングだけ交換する、ということも可能です。
今回も、チェーンリングだけ交換する、ということもできます。
GIANTは補修パーツとして、1枚だけのチェーンリングを販売しておらず、社外製のチェーンリングを利用した場合、1枚¥2,700(税込)くらいです。
3枚交換すると¥8,100(税込)となる見込みです。
しかし!!
さすがGIANT、交換部品が超お安いのです。
そもそも、チェーンリングを1枚交換するような時期は、他のチェーンリングも相当摩耗が進んでいるに違い無い。
そうだとすれば、1枚だけ交換するためにバラすくらいであれば、一挙にまるごと交換するほうが合理的、効率的である、というGIANTの考えなのだと推察します。
クランク、チェーンリングボルト、チェーンリング全て(つまりチェーンホイール)がまるごとセットで、¥8,800(税込)という純正パーツが展開されています。
こうすれば、クランクボルトもクランクも新品になりますし、このあたりがピカピカしていると、バイクの見栄えがよくなるものです。
そういうわけでして、チェーンホイールをまるごと交換することに致しました。
次に、チェーンそのものを交換する必要があります。
スプロケットの損耗はそれほど激しくありませんでした。
このまま継続使用が可能と判断します。
オーナー様に、工賃を含めて¥17,820(税込)になる見込みであるとお伝えし、ご了承を得ました。
パーツを発注して、作業開始です!!
本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、bikeport新宿都庁前店の奈須野でした。
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