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天に祈りを 400kmブルベ その3 麦草峠

皆様、こんにちは!!
Bikeportスタッフの奈須野です。

いきなりの雨 400kmブルベ その2の続きとなります。
ブルベ(Brevets)とは、フランス語で「認定」を意味する言葉で、制限時間内での完走を主目的とするロングライドイベントのことです。


東京都稲城市を午前5時に出発しました。
最初の30kmくらいは市街地が続きます。
直線コースなどで、ものすごく加速する方もいますが、急加速と急減速は体力を損耗するだけと考え、超超エコ運転で、のんびりと走ります。

皆さん、最初はずいぶんと元気なのか、ずんずんと進んでいきますが、私は自分のペースを守り、45分くらい乗ったら2分休む、といういつものパターンを維持していました。


1 山伏峠

まず、最初の峠、山伏峠です。
標高は600mほどであり、高難易度というわけではありませんが、雨の中をひたすら登るのは気が滅入ります。

山伏峠あたりから、集団がかなりバラけて、ほとんど前後の参加者が見えなくなりました。
前回ご紹介した、mont-bellのストームクルーザージャケットのおかげで、汗をかいているものの、汗が少しずつ蒸散していきます。

しかし!!

まず、最初の悲劇が訪れました。
私、実は、道路交通法に抵触しないような、耳の近くで鳴るBluetoothヘッドフォンを使っていたのですが、それが雨と汗で大破しました。
もう音楽が聞こえません。
単調なヒルクライムでも、自分の好きな音楽が流れていると、不思議と元気が湧いてくるのです。
弱虫ペダルの小野田坂道くんばりに、ヒメはヒメなのヒメなのだ、と歌うこともあり、いきなりアニメ作品への言及で、意味不明な方にとっては大変に恐縮ですが、いずれにせよ、私には音楽が最高の気合発動機でして、それが奪われました。
これは痛すぎます。
はぐわっ

山伏峠を制覇し、ダウンヒルに入ります。
さっ寒いです。。。
気温が20度を下回り、かつ、全身汗でびしょ濡れ。
こんな状態でダウンヒルをすれば、それは凍えるというものです。
いかに、ゴアテックスのウェアといえども、蒸散量を超える汗には対応できない。
ガチガチと歯を鳴らしながら、なんとか、ふもとまでおりました。


2 志賀坂峠

続きまして、志賀坂峠です。

770m級の峠で、単体としてみればそれほどの高山ではないものの、今回のルートでうんざりさせられるのは、峠を越すたびにダウンヒルがあり、せっかく登った標高を無にさせられることです。
前の山伏峠の上りをすべて0にさせられ、さらに770m登ることになります。

こころを無にして登ります。

しかし!!
再び悲劇が訪れます。
携帯電話が壊れました。
上述のように、ストームクルーザージャケットは汗を外に逃がしてくれるスグレモノですが、峠の上りでは、かく汗の量が半端ではありません。
サイクルジャージはほとんどびしょ濡れ状態で、そんな中に携帯電話をしまっていたのです。
写真でも撮ろうと携帯電話をポケットから取り出したところ。。。
電源が入りません。
がーーーーん!!
ゆえに、これからのブルベ紹介は、全て文字のみ!!
お写真はありません。
次々と物品が壊れていくのですが、私は無事にゴールできるのでしょうか!?


3 ぶどう峠

続きまして、ぶどう峠です。

標高は1500mほど。
急斜面が多く、今回のブルベで一番きつい上り坂が続きます。
ギア比1の早乙女ギアをもってしても、降りて押し歩きたいくらいの坂が続きます。
雨、雨、雨で、もはや自分がどこを走っているのかもわからないくらいです。
しかも、山ばかりで補給ポイントが無い!!
粉飴を溶かしたドリンクを飲んでエネルギー補給をします。


4 麦草峠

今回の最難関。
麦草峠。
標高は2120mほど。


標高1000mくらいから、2120mまで登ります。

普段の荷物をまったく搭載しない軽量なロードバイクで、かつ、元気なときであれば、それほど難易度の峠とは思いませんでした。
しかし!!
今回は、レインコート、食料、4基の大型ライト、モバイルバッテリーなどなど、荷物が5kg以上はあり、鈍重なこと、この上ありません。
さらに、凄まじい疲労と雨。
まったく速度がでません。

道は、メルヘン街道と命名されているようで、名前は素敵ですが私にはそれを喜ぶ余裕がありません。
街道には、ありがたいことに、100mごとに標高1000m、標高1100mと表示がされています。
私は、サイクルコンピューターで、標高100mあがるごとのタイムを計測してみました。
すると、15分で100m登ることができているようです。
標高1000mから頂上の2100mまで、11セットあります。
つまりに、15分×11セット=165分
完全な無休憩で2時間45分ヒルクライムし続ければ頂上に着く、というわけです。
ええっ!?
これが2時間以上も続くの!?
私は叫びそうになりました。

途中で、パンクをしてしまった参加者の方とすれ違い、大丈夫ですかと声をかけて、ブルベは他の参加者の助力を得てはいけないというのが基本ルールがあるため、私は先に進みました。

雨が続き、どんどん体力が奪われます。
私は天に向かって、雨よ止んでくれ!!と祈りました。
すると、なんということでしょう!!

どっしゃーーーーーっ!!

私の祈りが天に通じたのか、今回のブルベで最凶ともいえる土砂降りになりました!!
もう、ガソリンスタンドの洗車機の中にいるような、凄まじい暴風雨です。
これはギャグでしょうか。

土砂降りの中、ふらふらになりつつも、頂上に着きます。
ちょうど、私を含めて四人の方が頂上で小休止をしていました。
その四人の中で、私が一番遅く到着しましたが、出発は一番早くになりま
した。
休憩時間を短く、それでいて、とにかくエコ運転で消耗を最小限にする。
それが私なりのブルベ攻略法なのでした。

ダウンヒルに入ります。
土砂降りの中のダウンヒルで、いつタイヤのグリップを失って転倒するかもわからず、時速30km以下という低速で、そろーりそろーりと下ります。
一時間以上、ダウンヒルをしている気がしますが、一向にふもとまでつきません。

体は冷え切り、内臓の奥まで冷え、そこまで冷えると普通に生命レベルが死の直前くらいまで低下します。
ガチガチと歯を鳴らし、これはまずいな。。。と思いつつも、なんとかおりきり、ふもとのコンビニエンスストアにかけこみました。
他の参加者の方もぞくぞくとコンビニエンスストアに立ち寄り、寒いですね、寒すぎますね、などと声を掛け合いました。

この時点で、日は落ちて、夜のライドとなりました。

最難関の麦草峠を越えたものの、距離的には、まだ200kmもあり、のけぞりそうになりますが、絶対に諦めません。


とんでもなく長くなりました。
本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、bikeportスタッフの奈須野でした。

薄れゆく意識の中で 400kmブルベ その4 完

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