こんにちは
きたる8月は各メーカーの新製品の発表が盛りだくさんです。タイトルからしてちょっと難しいお話になるんじゃないかと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、これからバイクの購入を検討されている方や、2018年のバイクへ乗り換える方はぜひ読んでおいて損はないコラムですし、読みやすいよう3回に分けてお伝えしようと思います。
前置きはさておき早速本題です。
まず私たちはバイクをお客様に御紹介する上で【剛性】【軽量性】【快適性】といった単語を頻繁に使います。
世界には多くのバイクブランド・メーカーが存在していますが、上記の3点を主として日々、より良いバイク作りに情熱を注いでいます。
本日は【剛性】についてお話します。
他2つの単語についてはなんとなく車体が軽いとか乗りやすいんだとか想像ができるかと思いますが、【剛性】っていまいち想像がつきにくい単語だと思います。
みんな大好きwiki先生で調べてみると剛性とは下記のように記されています。
剛性(ごうせい、英: stiffness)とは、曲げやねじりの力に対する、寸法変化(変形)のしづらさの度合いのこと。力に対して変形が小さい時は剛性が高い(大きい)、変形が大きい時は剛性が低い(小さい)という。工学的には単位変形を起こすのに必要な力(荷重/変形量)で表され、フックの法則におけるばね定数も剛性の一種である。剛性とは逆の変形のしやすさの度合い(変形量/荷重)は柔性(じゅうせい)と呼ばれる。
はいっこれを超簡潔に言いますと【変形しずらさ】ってことになります。
ここで変形しずらさが良い自転車において何がいいの?と思うはず。
まず想像していただきたいのが、もし乗っている自転車のペダルやクランクが豆腐のように柔らかいとします。(変形しやすい=剛性が低い)
あなたはそのバイクにまたがりペダルを漕ぎだそうとしますが、あなたが踏む力に負けてペダルやクランクがふにゃふにゃと、たわんでしまい全く自転車が前に進んでくれません。
一方、ペダルやクランクが金属のように硬いもの(変形しずらい=剛性が高い)だったらどうでしょう?
あなたの踏んだ力をしっかり受け止めて(変形しない)前へ進んでくれるはずです。(剛性が高い)
つまり剛性が高いということは、ライダーが踏んだ力を無駄なく推進力に変える値となるのです。
よくベテランのライダーが硬いとか柔らかいとか言ってるのはこのことなんですね。
ロードバイクが一般のシティサイクルなどに比べてスピードが出るのは主にこの【剛性】によるものなのです。
シティサイクル<クロスバイク<ロードバイク≦マウンテンバイク といったところでしょうか。各メーカーはフレームのグレードによって素材を使い分けていますし、軽くて硬い素材・成形方法は非常にコストがかかるのです。
bikeportで取り扱いのあるGIANTの場合もAdvancedグレードとAdvanced SLグレードで使用しているカーボンのグレードは異なります。
(写真:GIANT最高グレードフレームを用いたTCR Advanced SL )
(写真:GIANT の最新の成型技術によって生まれコストパフォーマンスに優れたAdvancedフレーム)
上記の二つのフレームはシートポストの形状が違うだけでしょと外見からは思ってしまいますが、使用しているカーボングレードと積層の仕方が異なり、SLグレードのフレームはより軽量かつ高剛性に作られています。
(写真:2017年ツールドフランスでも活躍したSHIMANO社製プログレード最高の軽さと剛性を備えたDURA-ACEクランク)
バイクを選ぶ上でどのバイクブランドも自社のバイクの剛性の高さを売りにしています。
なんてったって良く進むって言いたいですからね。
上記を踏まえるとレーシング用のバイクフレームは硬いバイクと言えます。
またビンディングシューズにしたら速くなると先輩ライダーの方は良く言いますが、理由の一つとしてここにも【剛性】があります。
普段皆さんが履いているスニーカーには歩くうえで足を痛めないようにクッションが入っています。
せっかく漕いだ力をスニーカーのクッションが和らげてしまいますが、ビンディングシューズの足裏はこのようにクッションなどが一切入っていない硬い面となっています。なぜならペダルを漕ぐぶんには足に衝撃は来ませんし、前述した剛性が高い方がより推進力に変わるからなんです。
じゃあレースに勝ちたいから剛性が高いバイクを下さい!!と思った方早まらないで下さい。
ここまでお話ししてきた剛性が高いバイク=良く進む良いバイクと思った方が多いと思いますが、剛性が高いバイクは乗り味も硬く疲れやすいので、必ずしもそれだけで良いバイクとは言えないのです。
またロングライドモデルはどうなの?と思った方も安心してください。次の二つのコラムで御紹介していきます。
剛性が高い=良く進むバイクとわかったところで今度は【軽量性】【快適性】が重要なポイントになってきます。
以上が剛性のお話となりますが、御納得いただけたでしょうか?
分かりづらいところもあったかもしれませんが、ご参考にしていただけると幸いです。
次のコラムでは【軽量性】についてご紹介致します。