こんにちは、湘南店の駒田です。
ある日の夕方、一本のお電話がありました。
「ファットバイクを所有していて修理をお願いしたいが、可能でしょうか?」
ファットバイクとは、まるで(エンジン付きの)バイクのような巨大なタイヤを装備したマウンテンバイクの一種で、企画も特殊なものが多く当店でも通常お取り扱いはございません。
しかし、自転車である以上、取引のある問屋さんの中にはファットバイク用のパーツ(主にタイヤやチューブなどの消耗品類)を取り扱っているところもあります。
実際、過去にタイヤ交換を承ったことはありました。
そこで、どのような修理をご希望ですか?とお尋ねすると
「リアハブ、特にフリーボディが故障しているので交換したい」とのこと
ここで駒田は頭を抱えました。
「ファットバイク用のハブなんて取り扱いあったっけ?」と…
お話を伺うと、購入したお店さんで修理の依頼をしたが、一向に取り掛かってくれなかったとか。
お急ぎとの事だったので10分ほどお時間を頂戴し、大急ぎで『ファットバイク ハブ』で検索を掛けました。
すると、幸いにも『SURLY(サーリー)、DT Swiss(ディーティースイス)、Industry Nine(インダストリーナイン)、HOPE(ホープ)』が有名どころである、との情報を得ることができました。
なるほど、この4つのメーカーのうち、SURLYを除く3メーカーであれば取り扱いがあるのでこれはいける!と思いきや…
当然のことながら、メーカーが作っていても日本に入ってきているかは別問題…!
まずは手元にカタログのあるDT Swissから。こちらはぺらぺらとカタログをめくって数秒で撃沈。もちろん問い合わせれば輸入して頂ける可能性もありますが、時間の都合で諦めました。
そして最高級ハブの一つであるIndustry Nineも、問屋さんのサイトに記載がない…
最後の望みを託したのがHOPE!まさに一縷の望みでした。
すると、欠品しているカラーはあったものの、規格もそろっていて対応できそうなことが分かり一安心。
実際にお持ち込みいただき、規格にあったハブを発注する、という運びになりました。
実際にお持ち込みになった車体がこちら
スペシャライズドのファットバイクでした。
以前はキャノンデールもファットバイクを作っていましたし、北米メーカーはやはりマウンテンバイクのラインナップが充実しています。
さて、どんな故障をしているのかと思ったら…
スプロケットを取り付けるフリーボディという部分ですが、力いっぱい踏み込み続けた結果、爪が削れて固定が甘くなってしまったようです。
HOPEのシマノ用フリーボディはスチールとアルミを選択することができます。
アルミの方が軽量なのですが、ここは当然頑丈なスチールを選択。今後、同じような状態になってしまってもフリーボディのみ交換して修理することが可能です。
届いたハブがこちら
シンプルにデカい!
ファットバイクのリアハブは170㎜と190㎜の2種類あり、それぞれクイックリリース(QR)とスルーアクスルがあります。
今回は190ミリQRという規格で、つまり自転車のハブとしては一番大きい(幅が広い)物になります。
最近のマウンテンバイクはBoost規格と呼ばれる148㎜が主流となっており、それよりも4センチほど広いことになり、いかに特殊な規格かがお分かりいただけるかと思います。
元のハブを取り外して測定した結果、寸法はほぼ同じだったので、スポークはそのまま使いまわすことができました。
組みあがったホイールを取り付けて完成!
元の姿がこちら
少しボディが太く、いかつい感じになりファットバイクらしさ?が増したように見えます。
鮮やかな赤もかっこいいですね!
遠目からは少々わかりにくいですが、ハブやスポーク、ニップルで様々な色を使って遊べるのもマウンテンバイクやグラベルバイクの醍醐味です。
今までも沢山の個性豊かなホイールを組んできましたが、今回はかなりインパクトのあるホイールでした。
Y様、この度はご依頼頂きありがとうございました。
今度は前輪も組みなおしてハブをそろえてもかっこいいですよ!
またのご来店をお待ちしております!
このように、バイクポートでは様々な自転車の修理、カスタマイズが可能です。
他店様で断られてしまった。
そんなときでも、お力になれることがあるかもしれません。
ぜひ一度、店頭スタッフまでご相談ください。
皆様のご来店お待ちしております!